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米軍基地の枯れ葉剤問題 疑惑広がる

Write: 2011-05-26 13:27:05

在韓米軍がベトナム戦争で使用した枯れ葉剤を1978年に韓国南東部の米軍基地、「キャンプ・キャロル」内に埋めたとする疑惑が浮上しているなか、枯れ葉剤が埋められた場所がほかにもあるという証言が出されました。
米陸軍第2師団に服務していたあるアメリカ軍退役軍人は、「1977年から1978年まで、部隊の倉庫にあったダイオキシンを全量廃棄するよう命令された。この命令はすべての部隊に対するものだった」と明らかにしています。
こうしたことから、当時、ソウルと京畿道(キョンギド)を中心に全国に100か所近くあった在韓米軍基地で、広範に化学物質が埋められたのではないかという疑惑が提起されています。
その背景として、アメリカではこの頃、ニューヨーク州、ナイアガラ地域で住民が集団で健康に異常をきたし、調査の結果、ある化学会社が40年前に近くの運河工事現場にダイオキシンなどを大量に埋めたことが判明して200世帯あまりが別の地域に移転するという環境事件が起き、これをきっかけに、海外にある米軍基地で有害化学物質の処理を急いだ可能性が考えられています。
また一方では、1970年代後半からベトナム戦争で使われた枯れ葉剤の被害に関する訴訟が相次ぎ始め、これも処理を急いだ背景になっているとみられます。
在韓米軍による枯葉剤の散布は、1960年代後半にもありました。
駐韓アメリカ軍司令部は1968年と1969年に、北韓軍の浸透を防ぐため視野を確保することを目的に、非武装地帯一帯に大量の枯れ葉剤を散布しており、この作業には韓国軍兵士2万6000人が動員され、アメリカ軍は作業の監督をしていました。
このことは1995年にアメリカ上院によって初めて確認され、その後韓米両国は1968年4~5月と1969年5~7月の2回に渡って枯れ葉剤の散布が行われたと発表し、アメリカは当時の枯れ葉剤散布による人的被害の補償対象を、1968年4月から1969年7月まで非武装地帯で服務していた軍人としていました。
ところが、今年初め、その範囲を1971年8月までに拡大したことが明らかになり、1969年7月末以降も非武装地帯に枯れ葉剤が撒かれたのではないかという疑惑が持ち上がっています。
一方、今回の疑惑の発端となった「キャンプ・キャロル」の実態について調査するためのSOFA=在韓米軍地位協定の環境分科委員会の会議が26日龍山(ヨンサン)米軍基地で開かれます。
この会議で、韓国側は、まず土壌汚染検査によって枯れ葉剤が埋められたかどうかを確認することを提案する予定です。

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