アメリカ軍の報告書から韓国南東部の大邱(テグ)に近い米軍基地、「キャンプ・キャロル」内に枯れ葉剤が埋められ、後に外部に持ち出されたとする記録があることがわかりました。
これはKBSが独自に入手したアメリカ軍の2つの報告書からわかったものです。
それによりますと、まず、1992年に作成されたアメリカ軍工兵隊の報告書には、「ベトナム戦で使われた枯れ葉剤がエージェント・オレンジが、キャンプ・キャロル基地内の‘HH区域’に貯蔵され、後に外に持ち出されたという内容の未確認の報告があった」と具体的に枯れ葉剤の名を上げて書かれていました。
この記録は、在韓米軍が27日の記者会見で「基地に埋めた後持ち出した汚染物質が枯れ葉剤なのかどうかは確認できない」とした内容に反するものであり、論争を巻き起こすものとみられます。
一方、すでにアメリカ軍からこの報告書を受け取って基地内の化学物質処理記録を確認している環境部は、SOFA=在韓米軍地位協定の規定により、協議中の内容については韓米双方の合意がないと公開できないとして、事実確認はできないとの立場をとっています。
また、2004年に米8軍が三星(サムソン)物産に依頼して調査した環境報告書には、キャンプキャロル基地内の41区域の地下水を採取して調査した結果、油汚染による多様な揮発性物質とダイオキシンが検出されたと記されています。
さらに、この報告書は汚染物質が地下の水脈まで広範に広がっているという1992年のアメリカ軍工兵隊の報告書の未公開内容も引用しており、波紋を広げています。