韓国南東部の大邱(テグ)に近い米軍基地、「キャンプ・キャロル」内に枯れ葉剤が埋められたとする疑惑を受けて行われた韓国とアメリカの合同調査団による調査の結果、基地周辺の河川でごく微量のダイオキシンが検出されました。
環境部は16日、「キャンプ・キャロル」から半径2キロ以内の地下水10か所と河川6か所の水質を分析した結果、河川からごく微量のダイオキシンが検出されたと発表しました。
検出されたダイオキシンの量は、アメリカの飲用水安全基準の3000分の1以下のきわめて少ない量だということです。
しかし、枯れ葉剤の主な成分は検出されず、また地下水ではダイオキシンがまったく検出されませんでした。
さらに、河川で検出されたダイオキシンが米軍基地内に埋められた汚染物質から出たものかどうかは分からないとしています。
これに先立って、共同調査団は13日、レーダーやマグネチック探査方法などでドラム缶が埋められた疑惑が持たれているキャンプ・キャロル基地内のヘリコプター離着陸場を調査した結果、ドラム缶は見つからなかったと明らかにしました。
調査団は15日からドラム缶が埋められた疑惑がある基地内のほかの区域に対する調査に入っています。
一方、在米韓国人フリー・ジャーナリストのアン・チヨン氏は16日、自分のブログで1993年にアメリカ空軍大学に提出された論文を引用し、キャンプ・キャロル周辺の地下水でかつて殺虫剤の成分が検出されたと主張しました。
それによりますと、キャンプ・キャロルはアメリカ国防総省が1991年に在韓米軍基地を対象に行った環境調査の結果、地下水汚染地域に分類されており、キャンプ・キャロルの地下水汚染はアメリカ国防総省の長い間の懸念事項だったということです。
アン・チヨン氏は、枯れ葉剤の入ったドラム缶は地下15メートルの深さに埋められたものもあり、探知可能な深さが10メートルほどの探知機ではドラム缶を見つけるのは難しい可能性があると主張しました。