アメリカ政府は、北韓の製品に対して、部品も含めて全面的に輸入を禁じるという内容の新しい対北韓制裁の施行令を発表しました。
これは、アメリカの自由アジア放送が22日報じたもので、それによりますと、この行政命令は、オバマ大統領が4月18日に発表した新しい対北韓制裁を具体化したもので、完成品や部品に限らず、技術を活用したものまで、北韓製であれば全て規制の対象とするとしており、アメリカ政府は、今月20日から適用することを明らかにしたということです。
これによって、韓国が投資した北韓の開城（ケソン）工業団地で製造される製品は、アメリカへの輸入が禁止されるほか、北韓の労働者が製作に参加した映画なども、別途の審査が必要になり、110か国に輸出され、世界的に人気のある韓国のアニメーション「ポロロ」も、北韓の三千里（サムチョンリ）総会社が制作に参加したため、アメリカの輸入規制の対象に含まれるということです。
これについて、アメリカの議会調査局（ＣＲＳ）のナント通商産業専門官は、「今回の施行令は、アメリカ議会で韓国とアメリカのＦＴＡ＝自由貿易協定の批准を側面から促すために、開城工業団地で生産された商品のアメリカ向け輸出を制限するものだ」と説明しました。
一方、自由アジア放送は、今回の制裁措置は、法的な根拠を変えて制裁の時効をなくすなど、手続きを変更しただけで、対北韓制裁の水準自体は変わるものではないという見方もあると伝えています。