ソウル市の教育行政のトップである現職の教育監が、先の選挙で野党側候補として一本化される際に、競合する候補に対して金品を渡していたことが分かりました。
この問題は、去年6月に行われた統一地方選挙の際、ソウル市教育監に立候補した野党側の二人の候補が一本化される過程で、金品の授受があったのではないかとの疑惑が浮上していたもので、郭魯炫(クァク・ノヒョン)ソウル市教育監は、28日、ソウル市教育庁で記者会見し、候補を辞退したソウル教育大学の朴明基(パク・ミョンギ)教授に2億ウォンを渡したことを明らかにしました。
検察は、郭魯炫ソウル市教育監に対して出国禁止の措置をとるとともに、今週中に検察に呼んで事情聴取を行う方針です。
郭魯炫ソウル市教育監は、この日の記者会見で、「2度目のソウル市教育監選挙に立候補した朴明基教授が巨額の借金を抱えていることを知り、助けになりたかった」として、検察が主張している代価性を全面的に否定しました。
この事件は、検察が今月初めにソウル市選挙管理委員会から捜査の依頼を受け、時効となる10月末までに捜査を急いでいるもので、これまでの調べで、郭魯炫ソウル市教育監がことしの2月から3回にわたって合わせて2億ウォンを銀行口座を通じて朴明基教授側に送ったことを突き止めました。
検察は、2億ウォンの資金の出所や、代価性の有無について集中的に調べることにしています。
候補の一本化に成功した郭魯炫氏は、統一地方選挙で進歩陣営初のソウル市教育監に当選しており、今回、ソウル市の呉世勳(オ・セフン)市長を辞任に追い込んだ小中学校の全面無償給食を強く押し進めています。
一方、今度の事件で、与党ハンナラ党はいうまでもなく、野党民主党からも郭魯炫氏の辞任を求める声が上がっています。