沈没したセウォル号の船体の引き揚げについて、海洋水産部が事故の収拾や被害者への支援などにかかる費用が、合わせて5548億ウォンに上ると試算しました。
海洋水産部が8日、発表したところによりますと、セウォル号沈没事故の収拾や被害者への支援などにかかる費用は、合わせて5548億ウォンに上ると見込まれ、このうち昨年末まで、1854億ウォンが執行されたということです。
執行された金額を項目別に見ますと、捜索や救助活動に1116億ウォン、被害者の心理療法や教育費など家族への支援に342億ウォン、事故が起きた全羅南道(チョンラナムド)珍島(チンド)の漁師の生計支援に11億ウォンなどがかかりました。
今後、被害者に対する賠償に1400億ウォン、船体の引き揚げが決まった場合にかかる費用に1200億ウォンなど、合わせて3694億ウォンがさらに必要になると見込んでいます。
海洋水産部は、船体の引き揚げ方法や技術の検討結果によって費用が大きく変わり得ると説明しています。
またセウォル号の船会社「清海鎮(チョンヘジン)海運」やオーナー一家の財産の追徴保全を進めていて、現在1281億ウォンを確保していると明らかにしました。
一方、3月末に船体の引き揚げ方法や技術についての検討結果を発表するとしていたものの、発表の時期を延期した海洋水産部が、先に引き揚げの費用を公開したことについて、被害者の家族らは、「膨大な費用がかかるということだけ浮き彫りにしようとしているのではないか」と批判しました。
これに対して海洋水産部は、「海洋水産部長官が国会の農林畜産食品海洋水産委員会で、セウォル号収拾などの費用が5500億ウォンを上回ると話したのに対して、議員らがその費用を国民に詳細に公開するよう求めたため、公開することになった」と説明しています。