世界保健機関=WHOが、韓国のマーズの感染状況は、「緊急事態宣言」には該当しないと判断しました。
スイスのWHO本部は16日の緊急委員会のあと、声明を発表し、韓国のマーズの感染状況は、世界規模の危機状況といえる「緊急事態宣言」には該当しないという見解を明らかにしました。
そうしたうえで、「現時点で韓国への渡航や貿易を制限する必要はない。入国審査時のサーモカメラなどによる検査も不要だ」と述べました。
韓国でマーズの感染が広がっている要因については、「マーズという病気についてきちんと認識できなかったうえ、見舞いや付き添いなどの韓国独特の文化が影響した」と説明しました。
また「移動が活発な社会では、すべての国がマーズのような感染症の流行の可能性に備えなければならない。韓国の事例は、ほかの国への警鐘だ」として、対策の強化を促しました。
一方、韓国から帰国後、マーズ感染が疑われている60代のロシア人女性は、自宅隔離され、治療を受けています。韓国を訪れて帰国した後、マーズの症状が表れ、隔離されていた20代のチェコ人男性は、感染していないことがわかりました。