政府が作る国定教科書の復活について、政府与党は、早ければ来週にも具体的な案を発表する予定であることがわかりました。
韓国では1974年に当時の朴正煕政権が導入して以降、長らく国定の歴史教科書が使われてきました。しかし、歴史学会や国民から批判を受けて、リベラル系の盧武鉉政権が2007年に廃止を決定。その後は検定制度が導入され、複数の民間企業が教科書を作成して学校側が選ぶ仕組みに変更し、今に至っています。
大統領府青瓦台は7日、「朴槿恵(パク・クネ)大統領が韓国の歴史教科書の問題点について憂慮を示した」として、バランスの取れた歴史教科書の執筆が必要だとする立場に変わりがないことを明らかにしました。
これについて与党セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表は7日、「現行の歴史教科書は、左派的な世界観に基づいている」として政府の方針に同調する姿勢を示したのに対し、野党新政治民主連合の文在寅(ムン・ジェイン)代表は、「朴正煕時代をはじめとする過去の独裁政権時代を美化しようとしている」として反発し、国定化の阻止に取り組む姿勢を明らかにしました。
歴史教科書の国定化をめぐっては、韓国の歴史学会も「40年前の軍事独裁政権に退行する行為」だとして、政府に対し国定化の動きをやめるよう声明を発表するなど猛反発しています。