韓国政府は3日、中学・高校の歴史教科書の国定化を確定告示しました。
黄教安(ファン・ギョアン)国務総理は、3日午前、告示に先立って発表した国民に向けた談話で、国定化に切り替えた背景について説明しました。
それによりますと、現在一部の教科書が、韓国戦争を南北共同の責任と記述し、2010年に韓国海軍の哨戒艦「天安(チョナン)艦」が北韓の魚雷攻撃で沈没した事件を取り上げないなど、特定の観点に偏っているということです。
また教科書の執筆陣が、ことあるごとに政府を相手取って訴訟を起こしていて、教科書が左に寄っているという問題も出ているため、国定化は避けられないと強調しました。
黄祐呂(ファン・ウヨ)教育部長官も、「現行の検定制では正しい教科書をつくることが事実上不可能だ。学校の自主的な教科書選択権も機能していないため多様性が損なわれている」と述べました。
また執筆の方向について、「古代史を補完、日本による植民地時代の収奪やそれに対抗した独立運動史の記述を充実させる」と説明しました。
さらに編纂審議委員会を立ち上げ、審議を徹底すると強調しました。
執筆陣の構成や編纂基準については、国定教科書の編集を委任された教育部傘下の国史編纂委員会が4日、発表する予定です。