サウジアラビアを国賓訪問している尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、サウジアラビアの首相を務めるムハンマド皇太子と首脳会談を行い、両者は、二国間の戦略的パートナー関係を一層発展させていくことで一致しました。
22日に行われた会談で、尹大統領は、去年11月にムハンマド皇太子が韓国を訪問したことに触れ、「今回の国賓訪問を機に、両国関係を一層強化していきたい」と、期待を表明しました。
尹大統領はそのうえで、サウジアラビアが進める巨大開発プロジェクト「ネオム(NEOM)」などに韓国企業が参加できるよう、関心を持ってほしいと呼びかけたほか、エネルギーや建設部門に加え、観光や文化交流などの分野でも協力を強化することを提案しました。
これに対し、ムハンマド皇太子は、「サウジアラビアの発展において、主要な協力国である韓国とさまざまな分野で実質的な協力を拡大させていきたい」と応じたということです。
会談ではまた、イスラエルとパレスチナの軍事衝突により緊迫する中東情勢についても意見が交わされ、尹大統領は人道的支援を含め、必要な協力を行っていく考えを表明しました。
また、中東情勢の緊迫化を背景に原油価格の先行きが不透明になっているなか、今後5年間、原油の需給がひっ迫した際に、サウジアラビアから韓国が優先的に原油を購入できるようにするための契約が結ばれたということです。
一方、大統領室は22日、尹大統領の訪問を機に韓国とサウジアラビアとの間で結ばれる契約と覚書の総額は、156億ドルにのぼると発表しました。
去年11月にムハンマド皇太子が韓国を訪問した際にも、290億ドル規模の契約や覚書が結ばれています。
大統領室によりますと、軍需産業分野での、サウジアラビアとの大規模な取り引きに向けた議論も大詰めの段階に入っているということです。