北韓では、国会にあたる最高人民会議の代議員選挙の投票が行われました。代議員選挙は5年ごとに候補者一人の信任投票の形で行われます。
朝鮮中央テレビは10日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が平壌(ピョンヤン)市内の金策(キムチェク)工業総合大学に設けられた投票所を訪れ、票を投じる様子を報じました。
ベトナム・ハノイでの米朝首脳会談が事実上、決裂して以来、初めて公での活動です。
金策工業総合大学は、鉱業から電子・電気工学まで理工系の16の学部を持つ、北韓最高の工科大学です。
金委員長は代議員候補の大学総長に、「科学教育と経済建設をけん引する責任を果たしてほしい」と述べました。
金委員長は、前回の2014年の選挙では、金日成政治大学を訪れ、人民軍部隊長に投票したあと、「革命武力の強化発展」に言及していました。
核武力を強調していた5年前とは一変して、社会主義経済の建設を強調する政策方向を改めて示したものとされます。
前回の選挙では、代議員の半数以上の入れ替えによって「金正恩体制」が発足しましたが、経済建設を強調する金委員長の2期目の政権構想が、今回の代議員の構成にどう反映されるかに関心が寄せられています。