北米製のEV=電気自動車に対するアメリカの税制上の優遇措置について、韓国で加工された重要鉱物をバッテリーの材料として使った場合でも、車体を北米で組み立てれば、韓国メーカーの車も税額控除の対象になることになりました。
アメリカ財務省は先月31日、電気自動車に対する税額控除の条件について、4月18日から適用されるガイドラインを公表しました。
去年8月に成立したアメリカのインフレ抑制法(IRA)は、消費者がEVを購入する際に税額控除を受けられる条件として、対象となる車を北米で組み立てられたものに限定するとともに、バッテリーの部品に使う重要鉱物は、アメリカまたはアメリカとFTA=自由貿易協定を結ぶ国から一定以上調達することとしていました。
今回アメリカ財務省が発表したガイドラインでは、重要鉱物について、アメリカとFTA=自由貿易協定を結んでいない国から原材料を調達した場合でも、アメリカとFTAを結んでいる国、すなわち韓国などで加工すれば、控除の対象として認めるとしています。
また、バッテリーの部品として陽極板、陰極板、分離膜などをあげていますが、陽極板や陰極板の製造に使う原材料は調達先の条件が指定されていないため、韓国のEV用のバッテリーは、現在の製造工程を変える必要がなくなりました。
政府は、韓国のバッテリー業界が求めてきた内容が概ね受け入れられたと評価しています。
ただ、税額控除の対象となるには、北米で組み立てられた車であるという前提条件は残っていて、韓国の自動車産業にとって不利になるおそれが依然としてあることから、政府は、アメリカと引き続き協議する方針です。