食用昆虫は、未来のスーパーフードとして、栄養学的にも経済的にも脚光を浴びています。韓国で食用昆虫市場は2015年、60億ウォンの水準でしたが、年々成長しており、農林水産食品部によりますと、2020年には1014億ウォンにまで拡大するだろうということです。
現在韓国で食べられる昆虫は7種類あります。イナゴ、蚕のさなぎ(韓国でポンデギとして屋台で売られている)、ミールワーム(ミルワームとも。ゴミムシダマシの幼虫)など5種類は食用に製造や販売が可能で、残りの2種類(カブトムシの幼虫など)は、承認を受けたメーカーに限り、食用に使ってもいいことになっています。
韓国では去年11月、昆虫の形をそのままとどめた菓子類が初めて発売されました。イーダブルバグという食用昆虫加工メーカーが発売した、ナッツ類と乾燥させたミールワームをいっしょに入れた、その名も「ナッツアンドバグ」2種類です。韓国ではナッツ類と煮干しなどがいっしょに入った商品があり、それをヒントにつくられたということです。ほかにもミールワームがトッピングされたクッキーも出ています。
韓国では「パピヨンのキッチン」(ソウル新堂洞(シンダンドン))という食用昆虫専門のレストランが去年10月にオープンし、盛業中ですが、ここでは昆虫が粉などの状態で調理されているため、昆虫そのものを目で見ることはできません。たとえば、パスタの麺に、小麦粉のほか、昆虫の粉末が25%入っているという具合です。
イーダブルバグが販売しているクッキーやお茶など11種のうち、昆虫の形状がそのまま活かされているのは4種類ですが、ホームページではいずれもソールドアウトとなっていました。製品の販売がいつ再開されるのかという問い合わせが日に40件から50件もあるそうです。ソウルの黒石洞(フクソクトン)にあるこのメーカーの売り場には、昆虫がそのまま入った製品を買おうと、先月は連日のように朝から列ができたそうです。
昆虫がそのままの形状で製品化されることに対しては、専門家の間でも、意見が二つに分かれています。「どうしても抵抗があるので粉など見えないように調理したほうがいいだろう」、または「そのまま食べたほうが粉末状にしたものよりずっとおいしい」という意見です。ただ、栄養的にタンパク質などが多く含まれ、有望な栄養源とする見方は一致しています。イーダブルバグは、今月25日にはソウル市内にカフェをオープンする予定で、そこではパンやコーヒーのほかに、食用昆虫を使ったお茶やお菓子などが販売されるということです。韓国ではポンデギが食べられているので、昆虫を食べることに抵抗は比較的薄いのかもしれませんが。。市場がこれからも成長するのか、見守りたいところです。