第22話 ドラマ『旅屋おかえり』と韓国地方都市の魅力について
2025-08-27
韓国の伝統的な楽器には、海外から入ってきたものがたくさんあります。管楽器テピョンソや弦楽器ヤングムなどは、中央アジアから始まった楽器です。管楽器センファンは、中国古代の神が作ったものとされます。そして、弦楽器ヘグムは、もともとは遊牧民の楽器だったそうです。これらは、長い歳月、変化を重ね、韓国の人々の感情を表現する楽器になりました。アジアには、韓国のセンファンやヘグム、テピョンソと似たような形の楽器が今でもたくさんあります。特に、ヘグムと似た楽器としては、中国の二胡があります。ヘグムは昔の形を残していますが、二胡は近代に入ってから大分改良された楽器です。ヘグムは主な材料が竹です。絹で作った弦を擦って演奏し、指で弦を引っ張る力で音程を調節します。二胡は、木の本体と金属の弦でできています。バイオリンのように弦の外側から擦って演奏し、指で弦を抑えて音程を調節します。ふたつの楽器は音色も大分違います。ヘグムは高く清い音を出し、二胡は低く柔らかい音を出すのが特徴です。今日の最初は、キム・セヨンさんの二胡の演奏で、「ミルヤンアリラン」という曲をお楽しみください。
1990年代、国楽では、アジア、特に日本や中国の伝統ミュージシャンとの交流が増えました。共に演奏をしたり、北韓で改良した楽器を受け入れるなどです。韓国の伝統音楽がどうすれば発展できるか、多様な試みがありました。そんな試みが、今ではさらに広がり、アジアを超えて世界中のミュージシャンと共に演奏したり、彼らの楽器で韓国の音楽を演奏することも次第に増えています。今度は、インドの楽器を活用した音楽です。タルという名前のグループは、国楽を専攻した演奏者を中心にして、インドの伝統的な打楽器タブラと、手風琴ハルモニウムを利用して、パキスタンと韓国の伝統音楽を結合した独特な雰囲気の音楽を作り出しています。タブラは、二つの太鼓がワンセットの楽器です。ひとつは木でできていて高音を出し、もうひとつは金属でできていて低音を出します。演奏者は、ふたつの楽器を並べて座り、両手と指を利用して多様な音を出します。ハルモニウムは、風琴のように風を利用して演奏する、小さい楽器です。アコーディオンと似ていますが、アコーディオンは肩にかけて演奏する反面、ハルモニウムは床に置いて演奏します。今度は、タルの歌と演奏で、西道(ソド)の民謡、舟歌「ベチギ」という曲をお楽しみください。
「ベチギ」は、黄海道(ファンヘド)地方の海辺の人々の歌ですが、インドの楽器ともよく似合うようです。今度は、ギターを利用して作った、「チョルヒョングム」という楽器です。チョルヒョングムは、1940年代にキム・ヨンチョルさんが作った楽器です。彼はもともと綱渡りをする人でしたが、楽器の演奏にも一見識がありました。ある日、ギターを床に置いて演奏してみたそうです。ギターの形がコムンゴとは違うものの、原理が似ていることに注目したのです。左手で弦を抑えて音程を作り、指や道具を利用して弦をはじく方式です。今日の最後は、このチョルヒョングムの演奏をお聞きいただきます。キム・ミョンデさんの歌と、ユ・ギョンファさんのチョルヒョングムの演奏で、「東海岸の巫女の音楽、ファドゥ、동해안 무악 화두」という曲をお楽しみください。形と材質を変えて新しい楽器を作ろうとした試みの末できたものが、チョルヒョングムです。チョルヒョングムは、伝統音楽を完璧に表現しながらも、弦が鉄でできているためエキゾチックな音色が特徴です。
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