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「アリラン」ほか

#国楽の世界へ l 2021-04-28

国楽の世界へ

「アリラン」ほか

西洋の音楽の基本的な要素は、リズム、メロディー、ハーモニーです。韓国の伝統音楽は、ハーモニーを除いて、リズムとメロディーが基本的な要素です。中でもリズムは音楽の骨格とも言えます。西洋の音楽にはない独特なリズムが数多くあります。今日は、中でも「オッモリ」という拍子、「オッモリチャンダン」をご紹介いたします。オッモリは全体的には十拍で構成されます。西洋の音楽は規則的に演奏しますが、オッモリは少し違います。十拍を半分に分けて、五つがひとつの単位となります。一二三、一二がひとつの単位となり、二度繰り返して十拍を構成します。オッモリとは、横にそれるという意味のオッナガダという単語からできた言葉です。「江原道(カンウォンド)アリラン」は、オッモリで歌う民謡のひとつです。今日の最初は、カン・クォンスさんの歌とキム・ドクスさんとみなさんの演奏で、「アリラン」という曲をお楽しみください。


パンソリでは特別な人物が登場するとき、オッモリ拍子を使うことがあります。「パンソリ、フンボの歌のうち、僧侶のタリョン」という曲がそのような場面です。意地悪な兄ノルボは善人の弟フンボの家族を追い出し、フンボは一文無しになってしまいます。もともと上流階層両班(ヤンバン)出身なので、学問にはある程度能力があるとしても、生計のためにできることは何もありません。結局兄ノルボを訪ねてみるのですが、またも追い出されてしまいます。フンボ夫妻が悲しさのあまり泣いていると、どこからか僧侶が現れます。僧侶は、フンボの家族がお金持ちになれるという家の敷地を教えてくれます。フンボはその場所に定着し、ツバメの足を直してあげてそのおかげで大金持ちになるというお話です。フンボの人生において大きな転換点になる僧侶が登場するとき、オッモリ拍子が出てきます。聞き手を注目させ、これからストーリーが一転するということを知らせるためです。キム・ユルヒさんの歌とソウスソースの演奏で、「僧侶のタリョン、チュンタリョン」という曲をお楽しみください。


「パンソリ、水宮歌(スグンガ)」にもオッモリ拍子が使われる場面があります。竜王の病を治すためにウサギの肝を探しに陸地に出たカメは、山の中で色んな動物が集まって宴会をしている場面を目撃します。あらゆる動物が集まっているので、その中にきっとウサギがいるだろうと思い、「ウサギの先生」と呼んでみました。ところが、発音のミスで、「トラの先生」と言ってしまったのです。ウサギの先生は「トセンウォン」、トラの先生は「ホセンウォン」なので、発音が似ていたわけです。トラは生まれて初めて先生と呼ばれ、大喜びでカメのところへ走っていきます。カメの立場では急にトラが近寄ってくるので、びっくりしてしまい「トラが来る」という歌を歌いました。今日の最後は、この曲を新しく作り変えた音楽、イナルチの歌で、「トラがくる、범 내려 온다」という曲をお楽しみください。この曲は、メロディーは原曲とほぼ同じですが拍子が違います。もともとはオッモリ拍子のものを、四拍に変えて歌っています。オッモリ拍子に慣れていない若者にも親しみやすく、大変人気のある曲です。

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