メニューへ 本文へ
Go Top

文化

朝鮮学校が舞台のドキュメンタリー映画「ウリハッキョ」

2007-08-30

ドキュメンタリー映画「ウリハッキョ」は、北海道札幌市にある朝鮮学校、北海道朝鮮初中高級学校を舞台に撮影製作されました。「ウリハッキョ」とは、直訳すると「私たちの学校」という意味で、日本の在日社会では朝鮮学校を示す固有名詞として使われています。

この映画を企画し、撮影製作したのは、ソウルに住む韓国人の映画監督キム・ミョンジュンさんです。キム監督は3年間北海道朝鮮初中高級学校の寄宿舎に寝泊りし、先生や生徒たちと一緒に生活しながら映画を撮影しました。50年以上も続いてきた南北対立の後、当時の金大中(キム・デジュン)大統領が進めた北韓に対する包容政策によって、南北の間に和解ムードが高まりました。ほんの10年前までは、韓国人が朝鮮学校を舞台にした映画を、それも在日の人たちと寄宿舎で生活するなど、考えることもできませんでした。この映画ができたのも、南北の和解がもたらした変化といえるでしょう。

映画「ウリハッキョ」は今年3月末から韓国各地の映画館で上映されました。この映画は2006年釜山国際映画祭でドキュメンタリー部門最優秀賞である「ウンパ賞」を受賞。「日本の朝鮮学校児童の『勇気ある』登校がはじまる」というキャッチフレーズと共に封切られました。「ウリハッキョ」は韓国で上映されてから5ヶ月間に、ドキュメンタリー映画としては異例ともいえる8万人を超える観客を動員しました。

映画館での上映や自主上映会にはキム監督が招かれ、「監督との対話」という時間が設けられたことも数多くありました。8月24日ソウル市近郊の光明(クァンミョン)市で開かれた自主上映会でも「監督との対話」がありました。予定時間を30分もオーバーし1時間経っても対話が終わらず「まだまだ大丈夫」というキム監督の姿に、映画への意気込みが感じられます。

「ウリハッキョ」が韓国で上映された後、北海道の朝鮮学校には韓国からの見学者が相次いでいます。子供を入学させたいという父母や新婚旅行で朝鮮学校を訪れた夫婦もいました。

キム監督はこれから映画を見る人々へのメッセージを次のように述べました。
「朝鮮学校の問題は単に少数者の問題としてではなく、歴史的な問題として解決しなければならないと思います。韓国も外国人居住者が100万人を超えました。韓国での外国人差別も一緒に考えながら、日本にいる在日同胞の問題も似たような観点で考えるべきだと思います。この映画は日本でも上映が予定されているので、多くの日本の方に見ていただけるよう努力します」
映画を通じて新たな韓日交流が始まるかもしれません。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >