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文化

「ヨンジコンジ」ほか

#国楽の世界へ l 2022-10-03

国楽の世界へ

「ヨンジコンジ」ほか

昔は村の小学校の運動会の日が、まるでお祭りのような日でした。運動会は紅白に分けて行い、100メートル走をはじめ、綱引き、大玉ころがし、お手玉など、多彩な競技がありました。ちょうど秋の収穫も終わる頃です。一年の農作を無事に終えた人々、腰の曲がったおばあさんやおじいさんまで、みんな学校に集まりました。娘や息子、孫を応援するという名目ですが、競技に参加する選手としての立場もありました。運動会には、運動競技以外に団体体操や舞踊のようなものもありました。その中で欠かせないものが、操り人形の踊りです。普通は一番年下の1年生や2年生の生徒たちが、チマチョゴリを着て、ちびっ子の新郎新婦になって踊ります。運動会を訪ねた大人にとって、何よりもかわいらしく面白い光景です。今日の最初は、操り人形の踊りの伴奏音楽を編曲した曲です。韓国の伝統的な婚礼で、顔につける赤い点を意味する、「ヨンジコンジ」という曲を、ノリトの演奏でお楽しみください。


操り人形の韓国語「コッドゥガクシ」は、木で作った人形という意味です。ナムサダンペという集団の公演にも、「コッドゥガクシ」という人形劇があります。木を削って作った人形の手足に紐や棒を繋げ、人が操る遊びです。運動会で聖徒たちが踊るコッドゥガクシの踊りは、まるで木の人形のようにかわいかったので、そんな名前になったんだと思います。今度は、宮中音楽「チュンエンジョン」の伴奏音楽をご紹介いたします。「チュンエンジョン」という踊りは、18世紀、孝明(ヒョミョン)世子が作ったものです。孝明世子は幼い頃から賢く、親孝行だったといいます。18歳のとき、父の代わりに国政を担うことになりました。当時は、一部の勢力の家柄によって政治が左右されていたときです。孝明世子は王室の威厳を表し、臣下を和合させるための方法として、踊りと音楽に関心を持ちました。いわば、文化政治といえます。王と王妃のための宴会を開いて、直接歌と踊りまで作ったのです。そのうちのひとつが、春の日にヤナギの合間を飛び交う朝鮮ウグイスの姿を表現した「チュンエンジョン」です。朝鮮ウグイスのように黄色い服を着て、ヤナギのような緑の帯をつけ、小さいけれど華やかな敷物の上で、一人で優雅に踊るものです。その様子を想像しながら、国立国楽院の正楽団の演奏で、「춘앵전 반주음악、チュンエンジョンの伴奏音楽」という曲をお楽しみください。


国立国楽院の正楽団の演奏で、「춘앵전 반주음악、チュンエンジョンの伴奏音楽」という曲でした。宮中の舞踊は、おきてが厳しかったけれど、華やかな衣装と優雅な動きが特徴です。一般の民の間で発達した民族舞踊の場合、タルチュムのように感情を大きく発散するものもあれば、スンムのように節制した優雅を趣きだとするものもあります。スンムとは、僧侶の踊りという意味ですが、実際僧侶が踊ったわけではありません。専門の芸人が僧侶の服装をして踊るものです。今日の最後は、イ・センガンさん他みなさんの演奏で、「승무 반주음악、スンムの伴奏音楽」という曲をお楽しみください。スンムは古くから伝わってきたものを、日本植民地時代、ハン・ソンジュンという人が舞台公演用に再構成したものと推測されます。1969年には国の無形文化財に登録されました。

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