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文化

「白髪の歌」ほか

#国楽の世界へ l 2023-08-22

国楽の世界へ

「白髪の歌」ほか
鏡を見ていて、偶然白髪を見つけると、自分も年をとったものだと感じるでしょう。最初はピンセントで抜いてみるのですが、そのようにしてはやりきれないと思うときがやってきます。すると、白髪を染めることになります。国楽の短歌(ダンガ、たんか)では、そのようなときの気持ちを歌う、「白髪の歌」というタイトルの歌が多くあります。今日ご紹介する歌では、誰もが避けられないのが白髪で、どんな人でも避けて通れないのが死であるという歌詞を歌っています。歌では、慰める内容の歌詞が続きますが、この内容が面白いんです。神話に登場する人物の名前からはじめ、中国の聖者の名前まで並べます。そして、どんなに立派な人でもみんな歳をとり、いつかは亡くなるため、歳をとることを嘆かずに、少しでも若いときに世の中で楽しく生きるように、ということです。

自分も歳をとったと思うと、色々と後悔することも多くなります。若い頃に勉強や仕事を熱心にしておけば良かったと思うこともあるでしょう。仕事だけでなく、もう少し楽しく生きれば良かったと思うこともあります。若者に対し、自分のように後悔しないようにと、アドバイスをしてあげることもあります。でも、そのように干渉をすると、嫌われるかも知れません。昔の人々も同じであったようです。京畿(キョンギ)の民謡、「青春の歌」は、若いときに学問を磨こう、青春を自慢するな、いつかは白髪になるという内容です。もともとの歌は、若い頃に未亡人になり、他の誰かと出会いたいと思うある女性の気持ちを歌う歌詞だったそうです。

青春が輝いているのは、無限な可能性があるからでしょう。でも、現実では、それらの可能性がひとつひとつ厳しい壁にぶつかることになります。それを受け入れなければならないのも、やはり青春です。歳をとってから振り返ると、若いときが良かったと思うものですが、当事者にとっては大変な事柄です。今度は、最近の若者のお話を歌詞にした、「青春の歌」です。お金もなく、就職も厳しく、失敗することが多いけれど、大人はやればできると言っている。通りかかりの犬が、笑ってしまいそうだ、という内容の歌です。大人と若者の考えが、大分違うことが分かる歌です。大変なことの多い世の中ですが、でも、若者には可能性が広がっていて、やはり、青春は羨ましいものです。

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