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文化

「全羅南道クァンヤンの子守歌」ほか

#国楽の世界へ l 2023-09-19

国楽の世界へ

「全羅南道クァンヤンの子守歌」ほか
子守歌を聴くと、心が安らかになり、眠たくなる経験をされたことがあるでしょうか。子供の頃聴いた子守歌を、体が記憶しているからだと思います。科学者の研究によると、赤ちゃんは子守歌を聴くと心拍数が安定し、痛みが和らぐ効果があるそうです。泣いたり、顔をしかめたり、寝返りを打つなどのことも減り、子守歌を聞かせなかった赤ちゃんと比べ体重も増えたと言います。歌が得意でないからプロの音楽を聞かせようと思うこともあるでしょう。でも、子守歌は録音した歌や楽器の演奏より、直接歌う方がはるかに効果があるとのことです。赤ちゃんにとって子守歌は、ただの歌ではなく、心なのです。

赤ちゃんを大事にする気持ちが感じられる歌です。このような子守歌を聴いて育った赤ちゃんは、立派な子供に成長することでしょう。済州島(ゼチュト)では、赤ちゃんを「エギグドク」という籠に入れて育てたそうです。竹で作った籠の中に、丈夫なひもを網状に編んでおき、布団を敷いて赤ちゃんを寝かせます。このようにすることで、土の上に籠をおいても、虫に刺される心配がないのです。夏には風通しがよく、冬には冷たい地面と離れているため温かいです。母親が畑仕事をするときは、赤ちゃんを籠に入れたまま連れて行ったものです。仕事をするとき赤ちゃんが泣きだすと、片足で籠を揺らし歌を歌うのです。

竹で作った伝統的なエギグドクは、今や使われないため、民俗村のような場所に展示してあります。最近は鉄でできた丈夫なエギグドクが人気だそうです。テレビを見ながら、本を読みながら、赤ちゃんを揺らして寝かすのです。健やかに眠っている赤ちゃんを見つめることが、一番平和なひと時だと思います。今日の最後は、伝統芸能パンソリ、「シムチョンの歌」の中から、目が不自由な父が娘をすかす場面の歌です。シムチョンの母は、シムチョンを生んですぐに亡くなりました。赤ちゃんはお腹が空いて、眠ることもできず泣いています。父は一睡もできず、早朝になると女性らが集まる水辺に行き、もらい乳をしました。みんな、いつでも連れてきても良いと言ってくれたものです。お腹がいっぱいになって眠っている赤ちゃんを見ると、父はようやく生きる勇気がでました。そして、一生懸命シムチョンを育てたのです。

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