セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
韓国や日本、中国、インド、東南アジア諸国連合など、16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の首脳会議が4日、バンコク郊外で開かれました。
目標としていた16カ国による年内の交渉妥結は見送られましたが、会議後に発表した共同声明ではインドを含む16カ国による来年の協定署名を目指すとして、署名の時期を明示しました。
インドを除く15カ国の交渉は基本的に終了しましたが、関税撤廃などに関してインドとの交渉は来年も継続することになります。
インドは東アジア地域包括的経済連携によって中国からの安い製品の輸入が大きく増えることへの懸念が強く、関税引き下げに慎重な姿勢を保っています。
インドは対中貿易赤字に危機感を強めていて、輸入品にかかる関税が削減されれば、対中貿易赤字がさらに拡大するだけでなく、中国製品が他の加盟国経由で輸入される懸念もあり、国内産業への大きな打撃が予想されるとして、関税削減に消極的です。
共同声明は16カ国による協定署名を目指すとしていますが、インド外務省の関係者は4日の記者会見で、現在の条件では「RCEPには参加できない」と話すなど、インドが懸念している課題を解決できなければ、16カ国による署名が実現するかは予断を許さない状況です。
東アジア地域包括的経済連携は、東南アジア諸国連合加盟10カ国に、韓国、日本、中国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの6カ国を含めた16カ国で自由貿易協定(FTA)を進める構想です。
2012年11月に交渉開始を宣言、これまで28回の実務協議、16回の閣僚会議、3回の首脳会議が開かれました。
東アジア地域包括的経済連携は、実現すれば世界の国内総生産(GDP)の30%、世界人口のおよそ半数を抱える巨大な経済圏となります。
東アジア地域包括的経済連携は、アメリカのトランプ政権が保護主義的な政策を進める中、自由貿易の拡大に向けて妥結への期待が高まっています。
大統領府青瓦台の関係者は、「域内の貿易および投資の活発化につながり、韓国経済に新たな機会が創出される」と評価しています。
韓国はすでに交渉に加わっている16カ国と自由貿易協定や経済連携協定を締結していますが、東アジア地域包括的経済連携が実現すれば、より大きな経済効果が期待されます。
文在寅大統領は東南アジア諸国との経済協力を拡大する「新南方政策」を進めていますが、東アジア地域包括的経済連携が実現すれば、東南アジア諸国への輸出や投資が大きく増えると予想されています。
参加国の間には、インドを除いた経済連携協定の早期締結を目指す動きもあり、今後の交渉の行方が注目されます。
2024-04-19
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