メニューへ 本文へ
Go Top

論点

韓国銀行、政策金利据え置きを決定

2020-02-29

ニュース

ⓒYONHAP News

韓国銀行は27日の通貨政策会議で、政策金利を現行の1.25%に据え置くことを決めました。

韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は、以前から政策金利の引下げには慎重な姿勢を示していました。

李柱烈総裁は14日のマクロ経済金融会議後の会見で、政策金利引下げの必要性はその効果だけでなく反作用も考慮しなければならないと述べました。

こうした発言もあって市場は政策金利の据え置きを予想していましたが、2月下旬に入ってから新型コロナウイルスの感染が広がるなど状況が急変したことから、引下げに踏み切るのではないかとする見方も強まっていました。

政策金利の据え置きは、現時点では利下げの効果が必ずしも確実ではないことや不動産価格バブルに対する懸念があったためとみられます。

また、新型コロナウイルスの感染拡大が長期化するリスクがある中、この時点で利下げに踏み切れば今後の金融緩和の余地が限られてしまうとの判断もあったもようです。

一方、通貨政策会議では、新型肺炎の感染拡大で被害が生じている中小企業への金融支援を拡大することにし、金融仲介支援貸出限度を現行の25兆ウォンから30兆ウォンに5兆ウォン増額することを決めました。

金融仲介支援貸出は、韓国銀行が市中銀行に低利で資金を供給し、中小企業などへの貸出拡大を促す制度です。

増額分は観光、飲食業、流通業などのサービス業を営む中小企業を中心に支援されることになります。

増額分5兆ウォンのうち4兆ウォンは新型コロナウイルスの感染が拡大している大邱市と慶尚北道の中小企業、中国への輸出企業や中国から素材・部品を輸入する企業を集中的に支援するということです。

李柱烈総裁は「現時点では金利の引下げよりも、サービス部門など影響を受けやすい産業を対象に選別的な支援政策を導入するほうが効果を期待できる」と述べました。

一方、今回の決定については、利下げを先送りしたに過ぎないとの指摘もあります。

現行の政策金利は1.25%とすでに低い水準ですので、ここで0.25%さらに引き下げてもその効果は大きくなく、今回金利を据え置くことで金融緩和の余地を残し、より金融緩和が必要な時に一度に0.5%引き下げるほうが効果が期待できるとの分析もあります。

韓国経済の低成長が続く中、韓国銀行はこの日、今年の成長率見通しを2.3%から2.1%に0・2ポイント下方修正しました。

新型コロナウイルスの感染拡大で、中には1%台を予測する金融機関もあります。

新型ウイルスの感染拡大が長期化するリスクがある中、各種の経済指標にはすでにその影響が出ていて、今回は果敢に利下げに踏み切るべきだったとする指摘もあります。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >