セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
韓国銀行は13日、金融通貨委員会を開いて、政策金利=基準金利を、それまでの年1.75%から0.50%引き上げ、2.25%にすることを決めました。
4月と5月に続いて3回連続の引き上げです。
4月と5月にはそれぞれ0.25%ずつ引き上げていて、今回は通常の倍の引き上げとなりました。
3回連続で政策金利を引き上げるのは異例、また一度に0.50%を引き上げたのは初めてのことです。
今回の大幅な引き上げは、「特段の措置」と受け止められています。
消費者物価指数は6%台まで上昇し、インフレへの懸念が高まっています。
一方でアメリカの連邦準備制度理事会(FRB)も金利の引き上げを続けていて、今月中にも韓国とアメリカの基準金利が逆転すると予想されています。
物価上昇、各国の利上げ、ウォン安などが重なって、韓国銀行としては大幅な利上げしか選択肢がなかったとみられます。
今のところ物価の上昇を抑える、これといった手立てがないのが現状です。
韓国銀行は、今月5日の物価状況点検会議で、原油価格の高騰、社会的距離維持などの各種の規制緩和による需要の増加、電気・ガス料金の引き上げなどで、当分は物価の上昇が続くとする見通しを示しました。
こうした状況は、期待インフレ率=予想インフレ率にも反映され、韓国銀行のまとめによると、この期待インフレ率は、先月は3.3%から3.9%に上昇し、およそ10年ぶりに最も高い水準となっています。
韓国とアメリカの金利逆転も懸念されています。
アメリカのFRB=連邦準備制度理事会は先月、基準金利を一度に0.75%引き上げ、韓国とアメリカの金利差は0.00∼0.25%まで縮小しました。
FRB=連邦準備制度理事会は、今月も大幅な利上げに踏み切るものとみられていて、場合によっては韓国とアメリカの金利が逆転する可能性もあります。
そうなればアメリカをはじめとする金利が高い国に資金が流出し、ウォン安を加速化させることにつながります。
ウォン安が進めば輸入物価の上昇につながり、輸入物価の上昇は国内の消費者物価の上昇をあおることになります。
韓国銀行の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は記者会見で、年末までに2.75~3.00%まで金利が上昇するという市場の予想は合理的だとする認識を示し、さらなる利上げを示唆しました。
インフレ抑制に向けた強い姿勢をアピールする形となりましたが、景気後退への懸念、アメリカのさらなる利上げなど、不安な要素はなお残っています。
韓国銀行が、高金利、ウォン安、原油高、グローバルな景気後退リスクなどにどのように対処していくかが注目されます。
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