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大学進学率減少
世界的に見ても高い78%という驚異的な大学進学率を示してきた韓国に変化が起きています。大学進学率がこの8年で69%に減りました。

今月22日に統計庁が発表した「2017韓国の社会指標」によりますと、2017年度の高校卒業者の進学率は68.9%で、これはその前の年より0.9%低い数字でした。2000年代後半まで上昇を続けていた大学への進学率が下落をはじめています。

1980年代、大学生はまだまだ数が少なく、当時の大学進学率は27.2%に過ぎませんでした。それが大学を出ないと就職も結婚もできない、大学を出さえすれば就職もでき、豊かな暮らしができるという認識が広がり、その後大学進学率が急上昇します。数字で見てみますと

85年 36.4%, 90年 33.2%, 95年 51.4%, 2000年 68%, 2005年 82.1%、そして2008年 83.8%と頂点に達します。

ただし2011年からは統計庁の統計基準が若干変わりました。それまでは大学進学率を合格率でとらえていましたが、2011年からは実際に授業料を出して大学に登録した人を基準にするようになります。合格しても進学しない人も出てきたということでしょうか。とにかく、2010年以後、登録基準にした後、大学進学率は2010年 75.4%, 2012年 71.3%, 2014年 70.9%, 2016年 69.8%と減り続けています。

ソウル大学社会学科の教授は大学進学率の減少について

「大学を卒業することが人生の節目で、就職や安定した暮らしを保証するものではないという認識が広がった結果でしょう」

と分析しています。実際に大学卒業者の就職率は2010年代になり67-68%台を維持しています。反面、職業系の高校の卒業者の就職率は去年50.6%を記録しこれは17年ぶりに50%を超えました。 (KDI)韓国開発研究院の専門家は

「 2010年以後、世界的な情報化革命により高卒者が比較的多数就職するサービス職と販売職の雇用が増え、高卒の就職率が改善したものと見られます。しかし大卒者の職種として認識されている経営・金融・技術部門の専門職と準専門職の雇用は大きく増加せず大卒者の就職難は続いています」

頂点を極めて下落を始めた韓国の大学進学率。その背景には「大学を出たからと言って食べていけるわけではない」という、最近の就職難に対する絶望があるようです。一方では高卒者10人中、8人が大学に進学するという社会もちょっと行き過ぎだったのではと思います。大学進学率の減少は韓国社会に明らかに変化が訪れている証拠だといえるでしょう。

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