チョゲタン(醋鷄湯)とは、酢を意味する「醋」と、平安道(ピョンアンド)の方言でからしを意味する「ゲ」が合わさった言葉で、本来は鶏の意味はなく、酸っぱい味の、からしが入っているスープという意味。
北韓の咸鏡道(ハムギョンド)と平安道で冬に食べられていた。鶏を煮たスープを冷たく冷まして、酢とからしで味付けし、細く裂いた鶏の身を入れていただく郷土料理。冷たいチョゲタンのスープに温かいご飯かメミルクッス(そば)を混ぜて食べていた。冷蔵庫が普及してからは夏に味わうスタミナ料理となっている。
主な材料 :
(2人分)
鶏半分(500g)、スープ(水2リットル、長ねぎ1本、しょうが10g、大根100g、にんにく10片、たまねぎ半個)
鶏肉の味付け : 朝鮮しょうゆ小さじ1、塩小さじ1/4、ごま油小さじ1、ねぎのみじん切り小さじ1、にんにくのみじん切り小さじ1、砂糖小さじ1/2、こしょう小さじ1/4
スープの味付け : 鶏を煮てとったスープ カップ4、えごまの粉大さじ1、ごま小さじ1、松の実の粉大さじ1、朝鮮しょうゆ小さじ1、レモン汁大さじ2、からし小さじ1、砂糖小さじ1
ヤンニョム(味付け) :
その他の材料 : 牛肉50g (味付け: しょうゆ小さじ1、砂糖小さじ1/2、ごま油小さじ1/2)、梨1/4個、きゅうり1/3本、ひらたけ50g、せり50g
鍋に鶏とスープの材料を入れてじっくり煮る。 牛肉は細く切り、味付けして炒めた後、よく冷ます。 きゅうりは半月切りにし、薄い塩水に10分ぐらいつけてからぎゅっと絞って水気を切る。 水気を切ったきゅうりは強火でさっと炒めて冷ます。 せりは熱湯でゆがき5cmの長さに切る。ひらたけもゆがいて冷まし、細く裂いておく。梨は砂糖水に漬け、水気を切る。 鶏の身は冷ましてから細く裂く。 裂いた身と、炒めた牛肉、きゅうり、せり、ひらたけ、梨をいっしょにボウルなどに入れ、分量の調味料を加え、手でもむようにして味をつける。 スープは冷たく冷まし、布で濾すなどして油を完全に取り除き、分量の調味料を加える。 味付けした鶏の身などをくぼんだ器に入れ、冷たいスープを注ぐ。 ☑ 鶏は強火で30分、中火で30分ぐらい、じっくり煮る。
☑ せりはゆがいたあと冷たい水で洗い、氷水にさっとつければ、香りもそのままで色も変わらない。
☑ 鶏を煮込んだスープを冷蔵庫で冷ますと、油が固まって浮くので取り除きやすい。
☑ クッス(そうめん)やメミルクッス(そば)を添えていただいてもおいしい。
キム・スジン院長: 韓国料理研究家
現在、韓国の味研究会理事、フード・アンド・カルチャー・コリア・アカデミー院長
韓国で初めての「映画の飲食監督」として、料理の新分野を開拓
代表作 <霜花店(サンファジョム)−運命、その愛>、<美人図>、<王の男>、<食客>