8月、9月に西海岸で多く獲れる大正えびは、塩に漬け乾かしてから王様に貢がれていたと、朝鮮時代の記録に出ている。乾燥させた大正えびは、チョコチュジャン(酢とコチュジャンを混ぜたソース)や酢、しょうゆなど主に酸っぱい味のソースでいただく前菜として調理された。それが、中国の冷菜の調理法が取り入れられたことで、からし味のソースでいただく現在のような料理に発展した。
主な材料 :
(2人分)
大正えび3尾(下味:みりん大さじ1またはホワイトワイン大さじ1、しょうが汁小さじ1)
牛の股肉200g(大根50g、しょうゆ大さじ1、水カップ3)
きゅうり1/2本(塩小さじ2、水カップ1/2)、たけのこの水煮(缶詰)100g(酢大さじ1)、梨1/4個
ヤンニョム(味付け) :
松の実ソース:松の実大さじ2、ねりがらし小さじ2、すりおろしたパイナップルの汁大さじ1、レモン汁大さじ2、砂糖小さじ2、塩小さじ1/2
大正えびはようじで背わたをとり、きれいに洗ってから、みりん大さじ1(またはホワイトワイン大さじ1)としょうが汁小さじ1を加えた熱湯で、殻をむかずにゆでる。 ゆでてさましたえびは、頭と尾を取って殻をむき、身を斜めに2等分に切る。 牛股肉は冷たい水で洗う。水カップ3に大根としょうゆ大さじ1を入れ、洗った牛肉を入れて火にかける。1時間ぐらい煮込んでから冷まし、長さ5cm、厚さ0.5cmにスライスする。 きゅうりは縦半分に切って斜め切りにし、塩水に10分ぐらい浸け、水気を絞っておく。 たけのこは長さ4~5cm、厚さ0.3cmにスライスする。沸騰した水に酢を加え、切ったたけのこをゆがき、水に10分ぐらいつけたあと、水気を切る。 梨は皮をむき種を取り除いて、0.3cmの厚さにスライスする。 松の実ソースのつくり方 : ぺーパータオルで松の実にある黒っぽい笠のようなものを拭き取り、ペーパータオルの上にのせて刻む。刻んだ松の実と、ねりがらし小さじ2、すりおろしたパイナップルの汁大さじ1、レモン汁大さじ2、砂糖小さじ2、塩小さじ1/2をよく混ぜ合わせる。 松の実ソースを材料と合わせる。 皿にえびの頭と尾を飾って盛り付ける。 ☑ ゆでた大正えびの頭と尾は捨てないでとっておき、 ガーニッシュ(飾り)として使う。
☑ きゅうりは塩水に長く漬けすぎると、食感が悪くなるので注意!
☑ 塩水につけたきゅうりの水気を絞るときは、手のひらで押さえるようにするのがこつ。そうしないときゅうりが変色してしまう。
☑ たけのこの水煮缶は臭みを抜くために、酢を加えた熱湯でゆがく。
☑ 松の実は一度にたくさん刻んでおかずに、食べる分だけそのたびに刻んで使った方がよい。油分が多いので、酸敗によって風味が損なわれる。
☑ 刻んだ松の実を保存しなければならない場合は、他の食材のにおいが付かないように密封する。
キム・スジン院長: 韓国料理研究家
現在、韓国の味研究会理事、フード・アンド・カルチャー・コリア・アカデミー院長
韓国で初めての「映画の飲食監督」として、料理の新分野を開拓
代表作 <霜花店(サンファジョム)−運命、その愛>、<美人図>、<王の男>、<食客>