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ライフスタイル

第484話 韓国のウイスキー市場について

#アジュンマの井戸端会議 l 2018-12-13

玄海灘に立つ虹

© Golden Blue

忘年会のシーズンです。きょうは忘年会にちなんだお酒、ウイスキーの話題です。

韓国酒類協会は、今年1月から10月までの間、韓国のウイスキー市場でアルコール度数が40度未満のウイスキーのシェアが50.7%と、40度のウイスキー(49.3%)を上回ったと発表しました。EU圏内の蒸留酒あるいはカナディアンウイスキーなどはアルコール度数40%以上で瓶詰めすることが義務付けられているそうで、多くのウイスキーのアルコール度数は40%以上なのだそうですが、韓国では2009年から36.5度のウィスキーが販売されていて、低度数のウイスキーのシェアが40度のウイスキーを上回ったのは初めてのことです。

韓国のウイスキー市場は低迷を続けていて、こうした度数の低いウイスキーが市場を活性化させるのではないかと業界では期待されています。ウイスキー業界の不況は10年以上続いています。ウイスキーの出庫量は、2008年2556万リットルでピークに達してからは減少傾向が続き、去年は1350万リットルにまで減りました。2008年の世界金融危機による景気の停滞、健康志向が強くなり強いお酒を敬遠するようになったこと、などが消費減少の要因になっているとみられています。また、相対的に強いお酒を好まない女性がお酒を飲むようになったことも影響しているだろうということです。

こうした状況で、アルコール度数の低いウイスキーは健闘しています。2014年197万リットルだったのが去年は649万リットルに増えています。特にバーなど飲食店向けのウイスキー市場で低度数のウイスキーは人気です。ソジュ(焼酎)がマイルドなものが好まれるようになっていますが、ウイスキーも同じ傾向を見せていて、飲食店のほうでも低度数のものを積極的に勧めているからだといいます。ちなみにウイスキーは飲食店向けの市場が全体の87%(2017年現在)を占めています。

日本のウイスキー市場は、低度数のウイスキーカクテル、ハイボールがよく飲まれるようになってから、奇跡的に持ち直したと、私が読んだ新聞記事には書いてありました。韓国ではハイボールは一般的なものではありませんが、低度数ということで、韓国の業界もそこに活路を見出しているものと解釈されます。ちなみにハイボールブームを巻き起こしたサントリーが、最近韓国に法人を設立し、韓国のウイスキー市場に参入しています。

韓国で初めて販売された低度数ウイスキーはゴールデンブルーという韓国のメーカーが出したもので、このメーカーのゴールデンブルーサピルスが、低度数ウイスキーのシェアで首位(52.0%)を占めています。次いでグローバルメーカーが2位、3位と続くのですが、いずれも原酒の熟成年数が表記されているのが特徴です。首位のゴールデンブルーが原酒の熟成年数が表記されていないノンエイジウイスキーなので、相対的に高級感を強調するマーケティングだといいます。ちなみに去年韓国でよく売れたウイスキーの上位10位のうち6つの銘柄がノンエイジウイスキーだったということです。

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