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© Getty Images Bank

今月に入り、外交の場で掲揚される「太極旗」が、あるべき姿になっていないケースが相次いでいると話題になっています。

今月5日、ソウル市の外交部庁舎にて、韓国とスペインの次官級戦略対話が行われましたが、その際会議室内に掲揚された太極旗は縦に幾筋ものしわがよったものでした。この時の模様がニュースで紹介されるや、批判が殺到。外交部は、「細長く折りたたんでいたためしわがよってしまい、職員が急きょ手でしわを伸ばそうとしたものの、うまくいかなかった」と説明しました。また、今月10日、韓米首脳会談のために文在寅大統領がアメリカに行った際、アメリカ側が準備した太極旗に使われている青色が通常のものよりずいぶん薄く、「色あせた太極旗」と話題になりました。さらに、今月17日、中央アジア3カ国歴訪に出る大統領を乗せた空軍機に、太極旗が上下逆に掲揚されていました。

太極旗は1882年、朝鮮王朝時代に朝鮮の国旗として考案されました。第2次修信使として日本に派遣された金弘集が、駐日清国参事官から受け取った外交文書「朝鮮策略」で、朝鮮の国旗の図案について触れられていたとされています。金弘集はさらに、朝米修好通商条約(1882年)締結のために朝鮮に訪れた清国代表から国旗の必要性を説かれ、この時に通訳官を務めた李応俊が太極旗を考案したと言われています。この太極旗は調印式で掲揚され、1883年に朝鮮の国旗として公布され、その後の日本支配下の時代は民族の象徴と考えられていました。そして、戦後の1949年に韓国の国旗であることが法令により定められました。

太極旗は中央に「陰陽」を表す赤青2色の円形を、四隅には儒教の基本経典となる「易」で用いられる基本図象「卦」を配してあります。もともと「卦」の基本の組み合わせである「八卦」を用いて「朝鮮八道」を表すはずでしたが、外国の人々から見てわかりにくいということで、これを簡素化して4つの「卦」を使用しました。時代とともに若干の変化が見られますが、現在は、中央の円形は赤が上部になり、「卦」は左上に三本線の「乾(ケン)」がくるデザインです。

太極旗は現在でも、国慶日(法定公休日)等には各家庭で掲揚する大事なものです。これを外務省や韓国軍が間違って扱ったとなれば、批判が起きるのも無理はないのかもしれません。

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