セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
新型コロナウイルスの流行と関連しては毎日、たくさんのニュースが報道されています。その中から今日は話題の人物を二人ご紹介したいと思います。
一人目は39日間毎日2回、テレビカメラの前でコロナウイルスの感染者数を発表してきた疾病管理本部長のチョン・ウンギョンさん54歳です。チョン本部長は韓国国内で初めて患者が発生した1月20日から、疾病管理本部の代表として記者団とカメラの前に立ち続けています。
これまでに分かった感染者の数の他にも、地域別、年齢別の数字など詳しい状況の発表があり、そのあと1時間ほど記者たちとの質疑応答があります。どんなに発表する内容が深刻なものであれ、記者団の質問が厳しいものであれチョン本部長は常に平常心を失わずに、落ち着いた態度を貫いてきました。その姿勢が記者団にも、そしてテレビの前で見つめている国民にも大きな信頼を与えています。
患者発生から39日目に彼女の姿がついにカメラの前から消えたときには、倒れたのではないかとの心配の声もでました。現在は1日に2回の発表のうち、1回は彼女が、そしてもう1回は国立保健研究院長が務めています。
先月24日、危機警報が最高レベルの「深刻」になった時には髪の毛を短く切って現れ、「シャンプーをする時間ももったいないから」と答え、記者から健康状態を心配する質問が出た時には「業務の負担は大きいが、うまく耐えながらやっています。一日に1時間以上は寝ているから大丈夫」と語っていました。
また先月1週間近く、新たな感染者が発生せず、大統領を含めた世の中全体がこれで収束するだろうという甘い期待を抱いていた時にも「頂点を過ぎたと判断することはできない」と油断しない姿勢を貫いていました。
チョン・ウンギョンさんはソウル大学医学部を卒業、保健学で修士を、予防医学で博士号をとり、1995年から保健公務員として疾病管理分野一筋に歩んできました。2015年に 中東呼吸器症候群(MERS)が流行した当時も疾病予防センター長としてカメラの前に立っていました。しかしこの時には MERS拡散防止対策の失敗の責任を取らされ懲戒処分を受けていますが、2017年7月、今のムン大統領により次官クラスである、女性初の疾病管理本部長に昇進しました。
もう一人の話題の人物は国民の党代表のアン・チョルス代表です。安代表は夫人のキム・ミギョンソウル大学法医学教室教授と共に、今月1日から大邱の啓明大学病院で医療奉仕を行っています。防御服を着て、他の医師らと共に診療を行っている姿が大きく報道されました。
安代表はソウル大学医学部を卒業し、医学博士を取得したのち、海軍の軍医官を務めソウル大学病院などに務めました。その後は1994年にベンチャー事業家に転身し、大成功を収め、政治家として大統領候補にもなった人物です。
そのため医療現場を離れて久しいので今回の医療奉仕に関して医師免許があるのかという疑問の声も上がりましたが、アン・チョルス代表の医師免許は有効だと言うのが国民の党の説明です。
安代表は夫人と共に、無期限で現場で奉仕を続けると言っていますが、4月に総選挙を控えているため、一部からは「選挙運動だろう、患者の傍にも行ってない」などという主張もありました。しかし安代表は何も言わずに黙々と奉仕を続けています。そのため国民の党の秘書室長が代わりにこんなメッセージを記者団に送りました。
「毎日午前10時頃に病院に出勤し、当日の患者の様子など医療支援活動全般に対するオリエンテーションを受け、その後、防御服に着替えて患者たちが入院している病棟に向かいます。医療奉仕の医師たちは大部分1日に1回防御服を着て病棟に行き診療を行うケースが多いですが、安代表と夫人は午前と午後の2回防御服を着て午前には検体の採取、午後には患者の状態をチェックしています。」
と詳しい様子を伝えています。もちろん総選挙を前にしていますから、選挙運動ととらえる人もいるかもしれませんが、防御服を着て診療にあたっている姿、防御服を脱いで汗だくでいる姿を見る限り、安代表の善意と医師としての使命が感じられます。
爆発的に増えている感染者のための、病床も医療陣も大邱では足りないといいます。そんな中で第一線で頑張っている二人に拍手が送られるのは当然のことでしょう。私たちも「かからないこと、広げないこと」で今回の危機の解決に役立ちましょう。
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