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ⓒ Getty Images Bank

コロナ禍が続く今、人々は誰もが孤独を感じています。市場調査会社のエムブレインの調査によれば全国19歳から59歳を対象に行われた調査で、全体の87.7%の人が「社会全般的に孤独を感じる人が多い」と答えていました。特に一人暮らしの20代、30代は10人のうち6人以上が孤独を感じていると答えていました。その理由として一番多かったのが「経済的な余裕の不足」でした。特に男性にはこの経済的な理由で孤独を感じるという人が多いことが分かりました。

そして若い世代ほど「相対的な剥奪感」のせいで孤独を感じていました。相対的な剥奪感をどこから、どんな時に感じるかと言う点について、調査をしたエムブレインは「若い世代の場合、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSに掲載された他人の掲示物により直接・間接的な剥奪感を感じるようになったとみられる」と分析しています。他人のインスタやフェイスブックに載せられた華やかで楽しそうな写真や掲示物を見て、孤独と剥奪感を感じてしまうというのです。「相対的な剥奪感」から孤独を感じていると答えたのは20代が38.2%、30代が32.2%、40代が25%、50代が23.6%でした。

また「家で過ごす時間が増えて孤独を感じる」「否定的な感情表現が増えて強まった」というのも、20,30代に多く見られる特徴でした。 社会福祉学科の教授は「新型コロナ期間の関係断絶、経済沈滞の中での競争と不平等、各自の生活に対する危機意識など多くの要因が孤独と疎外を深めている」と分析しています。

ではこのような孤独をどのように解消するかについて、ほとんどの人が個人活動で解消していました。具体的にはテレビ視聴、寝る、音楽鑑賞、飲食、映画鑑賞、散歩という順でした。新型コロナの影響で一人で何かをすることで孤独を解消しようとしていることが分かります。そのため年齢に関係なく10人のうち7人はコロナ禍が終われば「人に会って飲食・会話をしたい」と答えていました。これは普段からオンライン生活に慣れ親しんでいた20代30代でも同様でした。

しかし一方では、実際に他人と会うことにストレスを感じてしまうという人もたくさんいました。コロナ禍で孤独な状態が長く続いた結果、「人に会ってもどんな話をすればよいのか分からない」「対面での意思疎通に怖さを感じる時がある」という答えが特に20代、30代では40%以上いました。

日本と英国には人々の孤独を社会レベルで解決しようとする「孤独・孤立対策担当大臣」がいるといいます。では韓国はどうでしょう。 韓国政府は昨年から「孤独死予防法」を制定し、5年ごとに基本計画を樹立して施行することにしました。そして今年から保健福祉部が実態調査をする計画です。今回の調査でも回答者の68.3%が孤独問題解決のために「国の役割が必要」だと言っていました。ただ日本の場合は、その対象は主に「ひきこもり」の人だと言います。孤独はコロナ禍を経たことで、個人の問題ではなく今や社会問題になっているようです。

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