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ライフスタイル

第711話 またしても「奴隷契約」か

#アジュンマの井戸端会議 l 2023-06-06

玄海灘に立つ虹

ⓒ SM Entertainment

KPOP市場にまたしても「奴隷契約」の波紋が広まっています。

SMエンターテインメントに所属する人気男性グループ、EXO(エクソ)のメンバー、チェン、ペクヒョン、シウミンの3人が、6月1日付でSMに対して専属契約解除を通知し、その理由として「奴隷契約」という単語が使われたのです。


チェンベクシ(EXO-CBX)というユニットとしても活動しているこの3人は、弁護士を通じて、「SMエンターテインメントが、所属する歌手たちに対して20年近い専属契約を不当に要求してきた」という趣旨の主張をし、「奴隷契約を強要されたと感じている」と述べました。3人は2022年12月30日付でSMエンターテインメントと再契約を結んでおり、その過程で契約内容を8回修正しているといいます。そのようにして結んだ再契約をわずか5ヶ月で無効にしようとしているのです。さらに金銭面でも、今年3月21日から最近までSMエンターテインメントに対して7回にわたって内容証明を送り、これを通して公正な精算資料および精算根拠のコピーを繰り返し要請してきたものの対応がなかったとしています。


これに対してSMエンターテインメント側は、まったく相反する主張をしています。「いつでも精算金の根拠を確認してもらえる状況の下で数年間精算を行ってきた。その過程で異議が唱えられたことはない。既存の専属契約が満了となる前、新たな契約締結について話し合った時点でも対等な交渉の末に3人と新たな専属契約を結び、その過程でも精算内容が問題となったことはなかった」としています。


韓国には公正取引委員会が示している標準契約書というものがあり、韓国の芸能事務所はこれに従って契約を締結しています。もちろんSMエンターテインメントもそうです。再契約は、芸能事務所とアーティスト間の自発的な決定で行われるものであり、ましてEXOのような大物アイドルグループに再契約を強要することはできないでしょう。ただ、奴隷契約と言われる契約は、通常、成功したグループに対して行われるものになります。成功していないグループからは長期契約をしても得るところがなく、契約条件をめぐって争う必要もないからです。


お互いの主張が鋭く対立している中、いまはもう少し状況を見守っていかなければならない状況です。しかし近くカムバックする予定だったEXOの活動に支障が生じるのではないか、懸念されています。ちなみに3人の代理人の弁護士は、3人の今後のEXOとしての活動について、 「アーティストたちはSMエンターテインメントとの専属契約を解除しても、他のEXOメンバーたちと共にEXOとしての活動を誠実に続ける方法を模索している」と明らかにしています。

 

ではなぜ、KPOPの市場では、こうした契約をめぐる問題が往々にして起きているのでしょうか。業界の関係者らは、「結局はお金の問題」だと口を揃えます。成功したKPOPのグループは事務所としては金の卵を産むニワトリであり、決して逃したくない人材です。それと同時に他の事務所としては喉から手が出るほど欲しい存在です。標準契約書が採用されるようになってからは、奴隷契約など契約をめぐる問題はだいぶ減ってきていますが、今回の事態のように、同じ契約書でも、その条項によっては、事務所側とアーティスト側の解釈にギャップが生じかねないことが証明された形となりました。


それに、KPOP業界のアイドル育成システムは、未成年者に合宿生活と厳しいトレーニングを強いるだけでなく、過度なダイエットや携帯電話の使用禁止など、人権侵害の余地があると指摘されています。そうした過程を経て人気を得てスターになっても、「精算」という名の下、事務所の初期の投資費用の埋め合わせをさせられ、思いのほか少ない収入を手にする状況もあり、スターアイドルといえども不満が募らないわけがありません。さらに、契約をめぐる問題がSMエンターテインメントで特に多く発生している点も、SMエンターテインメントとしては省みるべきではないかという指摘もあります。

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