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ライフスタイル

第712話 ドラマ「ドクター チャ・ジョンスク」

#アジュンマの井戸端会議 l 2023-06-13

玄海灘に立つ虹


ドラマ「ドクター チャ・ジョンスク(邦題:医師チャ・ジョンスク)(2023年4月~6月、JTBC)」が、6月4日に最終回を迎えました。

歌手で女優のオム・ジョンファが久々に主演を務めることでも話題になった作品です。

オム・ジョンファ演じるヒロイン、チャ・ジョンスクは、医師としてのキャリアをあきらめ、専業主婦として家庭に尽くしてきましたが、病気で手術を受けたことをきっかけに、再び医師としてのキャリアを積んでいくことにし、46歳にしてレジデント1年目として、夫と同じ病院に勤務します。彼女の奮闘記がストーリーの軸となっていますが、もう一つ大きな軸となっているのはジョンスクの夫の不倫です。夫の愛人は同じ病院で働く医師で、医師としてのキャリアを地道に築いてきた女性であり、ジョンスクとは正反対の立場にあるといえます。


不倫は韓ドラによくある素材で、最初は「またか」と思った人も少なくないでしょう。そのせいか初回の視聴率は4%台で、オム・ジョンファの復帰作としては期待外れといわざるをえない結果でした。同じ時間にSBSで人気シリーズの「浪漫ドクター キム・サブ3」がオンエアされていたことも視聴率が振るわない要因だったと思われます。しかしだんだんと視聴率は上向いていき、最終回では18%台を記録しました。


このドラマが人気を集めた要因について、まず言えるのが、「経断女(経歴断絶女性)」の問題に対する共感です。こういう造語がつくられるほど、韓国では、出産や育児などでキャリアをあきらめざるをえない女性の問題は社会的に深刻です。出産や育児などで経歴を中断するのは個人の選択ですが、こうした女性が社会で疎外されている問題に、「ドクターチャ・ジョンスク」というドラマは焦点を当てており、同じ立場にいるたくさんの女性たちから共感を得られたと分析されているのです。また、夫のため、義母のため、子どものために尽くしてきたジョンスクが、自分のために新たな挑戦に臨む姿にたくさんのエールが送られました。


さらに、夫の不倫という問題に直面したジョンスクですが、多くの葛藤をするけれども常に前を向いていて、それらが刺激的に描かれていないところが、このドラマの持つ強みの一つです。どろどろの不倫ドラマではなく、よくある復讐劇でもないのに、「すがすがしい」と思わせるドラマでした。


オム・ジョンファ以外にも他の俳優たちの好演も、シナジー効果を大きくしたのではないかと分析されています。不倫夫の役はキム・ビョンチョル(「トッケビ ~君がくれた愛しい日々~」でコン・ユがトッケビになるきっかけをつくった悪霊)で、だらしないけれどなんとなく憎めない男を好演し、不倫相手のミョン・セビンは清純なイメージから一転して新しい役作りに成功したと評価されています。


日本でもネットフリックスで配信されています。実はKARA出身で日本でも人気のカン・ジヨンが一部の回に出演しています。演出を務めたキム・デジン監督は、「カン・ジヨンさんがとてもよく演じてくれ、そのおかげで日本で人気を得ることができた」とインタビューで話しています。

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