韓国の７人組ボーイズグループ、BTSのメンバー４人がほぼ同時に入隊しました。これでメンバー７人全員が兵役に就いたことになります。RMとVが12月11日、ジミンとジョングクが12月12日に入隊していて、彼らの入隊は「同伴入隊」と報じられています。

同伴入隊とはどういう制度なのでしょうか。

韓国の同伴入隊とは、新兵として入所する訓練所も同じ、新兵訓練が終わって配属される部隊も同じで、除隊するまでずっと同じ部隊で共に軍生活を送れるという制度です。同伴入隊できるのは、友人、兄弟、仕事仲間など、血縁関係がなくても可能で、一人まで同伴可能です。つまり一緒に入隊できるのは二人までということになります。

この制度は、韓国兵務庁と陸軍が2003年に導入したものです。兵務庁のホームページによりますと、同伴入隊することで、入隊後の生活にスムーズに適応し、服務意欲を高め、軍の戦闘力の向上に寄与してもらう目的があるということです。

今回BTSのメンバーのRMとV、ジミンとジョングクは、二人ずつ同じ日に入隊、つまり訓練所に入所しましたが、Vは陸軍首都防衛司令部の特殊任務隊に志願したとされていて、RMとVについては同伴入隊ではなく通常の手続きで入隊したと報道されています。ともかく、メンバーと一緒に入隊することで、見ず知らずの環境にいきなり放り出される緊張感や不安を少しは和らげることができるのではないでしょうか。ちなみにRMとVは、韓国西部、忠清（チュンチョン）南道の論山（ノンサン）陸軍訓練所、ジミンとジョングクは、去年12月に入隊したBTSの最年長メンバー、ジンが助教を務めている陸軍第５歩兵師団の新兵教育隊に入所しました。

同伴入隊を申請するには別途の書類提出（志願書のみ提出）や面接などの手続きはなく、申し込んだ人たちの中から抽選で入隊が決まります。2021年の同伴入隊の場合、倍率が低かった月は３倍、高かった月（３月）で10倍。最近は大学１年生を終えた時点で入隊する場合が多いので、３月や４月の倍率はかなり高くなるそうです。また同伴入隊では、服務したい師団を指定することができるのですが、ソウル近郊の京畿（キョンギ）道の倍率が圧倒的に高くなります。同伴入隊をすると、訓練が厳しい師団に配属される可能性もあるといわれているのですが、これはある程度事実で、ソウル近郊の部隊に配属されなかった場合、江原（カンウォン）道の部隊に行かなければならないこともあるのだそうです。というのは、江原道は「最前方」と呼ばれる、北韓と近い地域で、険しい山も多く、寒さも厳しいところだからです。同伴入隊を申請した場合、40％が首都圏、残りの60％が最前方に配属されるということです。兵務庁のホームページによりますと、来年３月の同伴入隊として878人を募集したとありました。

韓国では、兵役は男性の義務であり、グローバルアイドルも例外ではありません。BTSのメンバーの中で真っ先に入隊したジンは現在兵長。陸軍で兵役の義務を全うする場合の最高の位に就いています。２度にわたって早期進級した結果だそうです。次いで今年４月に入隊したJ-HOPE（ジェイホープ）も陸軍第36歩兵師団の新兵教育隊で助教を務めています。今年９月にはＳＵＧＡ（シュガ）が、公的機関や社会福祉施設などで業務を行う「社会服務要員」として兵役に就いています。