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ピープル

「良才(ヤンジェ)ナビ」のカン・ギュヒョン、パク・サンベ

2016-05-24

毎週土曜日の午前6時40分。地下鉄3号線、良才(ヤンジェ)駅の近くに設けられた読書討論場に、読書の集い「良才(ヤンジェ)ナビ」のメンバーたちが集まります。「良才ナビ」の読書会はソウルで進められますが、全国各地にメンバーがいます。遠くから来ているメンバーたちが毎回読書会に参加している理由は一つ、本を読みながら変化していく自分を見つけることができるからです。

読書の集い「良才ナビ」が作られたのは2009年7月。4人のメンバーでスタートした「良才ナビ」は7年目を迎えた今、全国に300チームが作られています。7年の間に、会社や家族単位、個人的なメンバーまで合わせると千以上のグループが活動する、韓国最大の規模の読書会に成長したのです。読書の集い「良才ナビ」の「ナビ」は、韓国語で「私から始まった変化」という言葉の頭文字を取って名付けられています。



「良才ナビ」の中心には、自己啓発専門家のカン・ギュヒョンさんと眼鏡士のパク・サンベさんがいます。二人の出会いは2009年に遡ります。カン・ギュヒョンさんが書いた本を読んだパク・サンベさんは作家に会おうと決心しました。当時、パク・サンベさんは株式投資で失敗、大きな借金を抱え、挫折していました。作家は本に書いている通りに生きているだろうという考えを持っていたパク・サンベさんは、本の内容のように生きていくのが意味があるのか確かめたかったのです。パク・サンベさんの連絡を受け取った時、カン・ギュヒョンさんは親戚が亡くなり、葬儀場にいました。普通なら遠慮するのが当たり前ですが、失望のどん底に突き落とされたパク・サンベさんにそんな余裕はありませんでした。彼はカン・ギュヒョンさんに会うため、葬儀場に向かったのです。カン・ギュヒョンさんはそんなパク・サンベさんの姿から情熱と切実な思いを感じ、読書の集いを作ることにしたのです。こうして2009年7月、4人のメンバーで「良才ナビ」がスタートします。



4人でスタートした読書の集い「良才ナビ」のメンバーは少しずつ増え、2ヶ月後には30人になりました。それまで使っていたカン・ギュヒョンさんの事務所は狭くなり、思いきって事務所の地下室を借りることにします。経済的な負担はありましたが、一人でも多くの人と本を読む楽しさを分かち合いたいと思ったのです。

毎年、いろいろな所で読書会や読書の同好会が作られています。しかし、それを維持するのは難しく、「良才ナビ」のように、メンバーが増え、韓国だけではなく、世界的に広がっている読書の集いは多くありません。その裏には「良才ナビ」だけのノウハウがあります。その一つは午前6時40分、朝早くに集まることです。何もしないで過ごしがちな土曜日の朝、本を読むことで、充実感を感じ、却って土曜日が長く感じられるのです。もう一つの魅力はメンバー全員の参加です。リーダーが一人で本を選び、読んだ内容について話すようでは読書会が長続きしないと考えたカン・ギュヒョンさんはグループを分け、読んできた本について討論し、グループの一人が討論した内容を発表する形で読書会を進めています。「良才ナビ」の3段階の討論スタイルも長続きのヒケツです。本を読んで、自分が見たことについて話す「what I see」、本を通じて学んだこと、悟ったことについて語り合う「what I learn」、自分の人生を変化させるため、本をどのように適用すべきかについて討論する「what I apply」。この3段階を経て、まず自分が変わり、会社など環境が変わっていくのを感じることができるのです。見て、学んで、適用させていく訓練を通して読書の習慣がつき、読書を通じて人生が変わってきたというメンバーが多くなったため、家族で参加する人たちも増えています。

今から7年前、4人でスタートした「良才ナビ」は全国に広がり、静かに韓国の読書文化を変えてきました。その中心となっているカン・ギュヒョンさんは、多くの人が同じ本を通じて、コミュニケーションし、人生を変えていくことで、韓国、そして世界が変わっていく日が来ることを目指しています。

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