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旅行

銀色のススキが印象的なハヌル公園

2010-10-26

銀色のススキが印象的なハヌル公園

秋というと、何を思い浮かべますか。山や野原を華麗に彩る紅葉、そして銀色に輝くススキの群生ではないでしょうか。ソウルにも見事なススキの群生を見ることができる場所があります。ワールドカップ競技場で有名なソウルの上岩洞(サンアムドン)、ワールドカップ公園の中にある「ハヌル公園」です。

ソウル地下鉄6号線、ワールドカップ競技場駅の近くにあるハヌル公園に行くと、大人の背丈くらいに伸びたススキが群生しています。ハヌル公園全体の広さはおよそ33万平方メートルで、その3分の2がススキで覆われているのですから目で確かめなくても、そのスケールを想像することができるでしょう。

ススキの群生を見るためには「ハヌル階段」という、ジグザグに伸びている階段を20分ほど上って行かなければなりません。291段の階段をのぼっていくと、美しい白銀の世界が目に飛び込んできます。ハヌル公園が銀色に輝くススキの穂で覆われる季節になると、恒例のススキ・フェスティバルが開かれます。9年目を迎えた今年のフェスティバルは11月16日にスタートしました。

ハヌル公園は1976年からソウルで発生した生ごみの埋め立て地として使われていた所で、当時は「蘭芝島(ナンジド)」と呼ばれていました。名前はきれいですが、結局はゴミの山でした。悪臭を放っていたごみの埋め立て地、蘭芝島が自然生態公園に生まれ変わることになったきっかけは2002年に開かれたワールドカップ大会でした。地盤を安定されるための作業を経て、その上に排水施設を作ったり人工の土を敷いたりして、広い草原を作り出したのです。こうして生まれたのがハヌル公園でした。ススキが植えられたのもこの時期でした。ススキを選んだのはこの土地に適していたからです。地下のガスが空気中に漏れ出るのを防ぐために特殊なビニールシートをかぶせて、その上を土で覆う形で公園が作られたため、土があまり水気を含まず、乾燥しているのです。ススキは乾いた土地でもよく育ちます。

ハヌル公園のススキ畑を一番きれいに見ることができるのは「空を盛る茶碗」と呼ばれる公園の展望台です。展望台といっても建物ではなく、鉄骨で作られたモニュメントで、ご飯を盛る茶碗のような形をしているのです。夕暮れ時になると、銀色に輝いていたススキの穂がゆっくりと黄金色に色づきはじめます。展望台の後ろの丘に上ると、美しい夕焼けを見ることができます。また、日が暮れると、先ほど上ってきた階段にそって灯りがともされて、昼間とは違った風景を演出します。いつもは訪問客の安全のため、入場は午後8時までとなっていますが、ススキ・フェスティバルの期間だけは午後10時まで入ることができて華麗なソウルの夜景を楽しむこともできます。

ハヌル公園では自然の価値と大切さを知ってもらうためのエコ教室、環境教室などのプログラムが進められています。ゴミの埋め立て地だったかつての蘭芝島の様子とゴミから発生するガスや汚水などがどのように環境を破壊するのか、また、どのような過程を経てハヌル公園に生まれ変わったかなどについて詳しく紹介しています。

ハヌル公園にいくと、人によって破壊された自然が、同じく人によって息を吹き返した姿を見ることができます。そして、その努力に報いるように、秋風に波立つハヌル公園のススキは人々に遊びにおいでと手招きしているのです。

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