メニューへ 本文へ
Go Top

旅行

韓国の近代史に触れることができる、セムンキル

2010-11-09

韓国の近代史に触れることができる、セムンキル

韓国の首都として、中世から600年あまりもの歴史を持つ都市、ソウルには長い歴史を物語る観光スポットがいろいろあります。今日はその一つ、近代韓国の話を聞かせてくれる街、セムンキルに出かけてみました。

 セムンキルは光化門(クァンファムン)広場がある世宗路(セジョンロ)サゴリから地下鉄5号線の西大門(ソデムン)駅にかけて、1.1キロほど続く大通りを指します。セムンキルという名称は朝鮮時代につけられました。朝鮮王朝を建国した太祖、李成桂(イ・ソンゲ)はソウルを取り囲む城郭を築いて、都に出入りできる4つの大きな門を作りました。彼は都を定めたり、大きな建物を作ったりする時に風水学を重視したのですが、最初に作られた西の大門、西大門(ソデムン)の位置は、風水学から見て良くないという指摘があったため、場所を移して現在の位置に作り直されたのです。セムンキルの「セムン」は韓国語で「新しい門」という意味です。

 今年の10月、セムンキルでは「セムンキル文化ツアー」と題して、近辺にある博物館とギャラリー、12カ所を巡るツアーがありました。今日はそのコースをたどりながら、韓国の近代史を知る旅に出かけてみましょう。ツアーがスタートするのはソウル歴史博物館です。都市模型映像館には1500分の1のサイズに縮小されたソウルの模型があって、セムンキルを検索すると、スクリーンを通じてセムンキルの由来や西大門界わいの移り変わりが紹介されます。

ソウル歴史博物館を出て、セムナン教会の史料館へ向かいます 。セムナン教会は1887年9月に設立された韓国最初のプロテスタント教会です。今年で創立123周年を迎えるセムナン教会の史料館には大勢の信者を持つ韓国のプロテスタント教会の歴史を紹介するさまざまな資料が展示されています。セムナン教会を出て、救世軍歴史博物館にも立ち寄ってみましょう。1928年に建てられた 救世軍歴史博物館の建物は、当時、ソウルで指折りのモダンな建物でした。この博物館では1908年に韓国に入ってきて根をおろした韓国救世軍の歴史と移り変わりを紹介しています。

 次のコースは培材(ペジェ)学堂歴史博物館です。ソウル歴史博物館の向かいに伸びている貞洞(チョンドン)キルには赤レンガ造りの古い建物があります。ここが1885年、アメリカ人の宣教師のアペンゼラー牧師が建てた培材学堂で、外国人が韓国に設立した初めての私立学校です。「英才を培う所」という意味の「培材」は高宗(コジョン)皇帝から賜った名前でした。培材中学校、高校、培材大学など教育のための施設は他の地域に移されましたが、古い建物は歴史博物館として利用されているのです。

セムンキルには韓国の近代史を象徴する、新聞の博物館もあります。韓国最初の近代的な新聞は1883年に創刊された漢城旬報(ハンソン・スンボ)。新聞は狭い世界しか知らなかった朝鮮の人たちに西洋の文明と国際的な流れを伝え、後には外国の侵略に立ち向かうために人々を一つに結ぶなど、韓国の近代史において重要な役割を果たしてきました。新聞博物館はセムンキルが始まる光化門広場の近く、東亜日報の東亜メディアセンターにあります。自分だけの新聞を作ってみる体験コーナーがあって、子供たちも楽しく見て回ることができます。

 セムンキルは1キロほどの通りです。何も考えないでさっさと歩くと、15分で通ってしまえる距離です。しかし、その中に秘められた話に耳を傾けてみると、近代韓国の文化と歴史に触れることができるのです。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >