屋内テーマパークで知られるロッテワールドと隣り合わせにある公演場、ロッテワールド芸術劇場には世界最高といわれる韓国のビーボーイダンスと優雅なバレエが作り出す華麗なパフォーマンス『ビーボーイに恋したバレリーナ』の専用館があります。2005年12月にスタートした『ビーボーイに恋したバレリーナ』はアメリカのブロードウェー、イギリスのエディンバラ･フェスティバルなどでその実力と魅力を認められ、今もヨーロッパ、南米、アメリカ、アジア各地から公演してほしいというラブコールが続いています。

皆さんはビーボーイという言葉をご存じですか。ビーボーイとはブレークダンスをするプロのボーイという意味で、若者を中心に新しい文化コードとして認められています。韓国に初めてブレークダンスが紹介されたのは1990年代初め。若いアイドル歌手の振付けとして入ってきたブレークダンス、ヒップホップは公式のルートを通じて韓国に入ってきたわけではありませんでした。ですから、韓国のビーボーイは自力でブレークダンスをマスターしたといえます。しかし、2000年の初め、世界的な舞台に登場した韓国のビーボーイたちは特有のリズム感とテクニックで世界を圧倒し、世界的なビーボーイダンス･コンテストで準優勝、優勝などを獲得しています。

世界的に認められている韓国のビーボーイの情熱的ダンスと優雅なバレエが作り出したパフォーマンス、それが『ビーボーイに恋したバレリーナ』なのです。筋肉の使い方から音楽まで、すべてが違う二つのジャンルが一つになった瞬間、絶妙な調和を作り出すことができるのです。

それでは私たちもビーボーイの世界に入ってみましょう。バレエ教室に面した通りに作られたヒップホップ広場で華麗なパフォーマンスを繰り広げるビーボーイたち。レッスンを受けていたバレリーナたちにビーボーイの音楽はうるさいだけです。ビーボーイとバレリーナ、両方のプライドをかけたダンスバトルが始まりますが、まったく違うジャンルのダンスの対決は勝負がつきません。この時、バレリーナのソヨンの目にカリスマあふれるブレークダンスを披露するビーボーイのソギュンの姿が飛び込みます。ビーボーイ、ソギュンに恋したソヨンはレオタードとバレエシューズを脱ぎすて、ヒップホップの世界に飛び込みます。公演の中のブレークダンスは社会に溶け込めない人たちを、そしてビーボーイたちは一般の大衆を意味しています。バレリーナは社会のリーダー、つまり上流階級にあたります。最初はヒップホップダンサーを無視して、追い出そうとしていたバレリーナがブレークダンスの魅力を知る過程は上流階級であっても、結局は同じ人なんだと悟る過程を表しています。特権意識を脱ぎ捨て、大衆の中に溶け込むことで社会は一つになるという意味しているのです。

互いの違いを認めて初めて一つになれたというビーボーイとバレリーナ。彼らが汗と努力で完成させた90分のパフォーマンスを見ていると、ビタミンでシャワーを浴びたように若返った気分になれます。ミュージカル『ビーボーイに恋したバレリーナ』の舞台で韓国のビーボーイの世界に飛び込んでみましょう。