韓国の情報機関、国家情報院は、北韓のIT組織が、韓国の犯罪組織からの依頼で違法な賭博サイトを制作していたと発表しました。 
 
国家情報院が14日、明らかにしたところによりますと、違法な賭博サイトを制作していた組織は、朝鮮労働党で金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長の秘密資金を調達、管理する「39号室」の傘下にあり、中国・遼寧省の丹東で活動していたということです。
 
韓国の犯罪組織の依頼を受け、1件あたり5000ドルで違法賭博サイトを制作し、追加料金で保守作業も行っていたとみられています。
 
制作したサイトの数は数千にのぼるということです。
 
国家情報院は、韓国の犯罪組織が北韓のIT組織に違法サイトの制作を発注した理由について、北韓の組織は韓国や中国の開発者に比べてコストが最大で５割ほど安く、言語的な障害がないという利点があるためだと分析しています。
 
また、北韓のIT組織は、サイトを利用した韓国人の個人情報1100件余りを販売しようと試みたほか、韓国の犯罪組織から提供されたサーバーを利用して、韓国国内の企業に対してハッキングを行っていたことも明らかになったということです。
 
韓国では、違法賭博サイトを利用する若者が急増していて、国家情報院は、「背後で北韓が深く介入していることを示す初めての具体的な証拠だ」と強調しています。