北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が北韓への先制攻撃に言及したことに反発し、先制攻撃を試みれば韓国軍は「全滅」すると強く威嚇しました。
朝鮮中央通信が28日、報じたところによりますと、金委員長は韓国戦争の休戦協定締結から69年を迎えた27日の演説で、「先制攻撃」に言及した尹政権の軍事政策を批判したうえで、韓国が先制攻撃などで対抗しようとすれば「尹政権とその軍隊は全滅する」と警告しました。
ことし5月に発足した尹政権に対して、金委員長が立場を直接示したのは初めてです。
また「われわれは、いかなる危機にも対応できる徹底的な準備ができている。われわれの核戦争抑止力を迅速に動員する万全の態勢にある」と主張しました。
またアメリカに向けては、「北韓はアメリカとのいかなる軍事衝突に対しても完全に準備が整っていることを改めて明確にする」と強調しました。
金委員長は前日の26日には韓国戦争の戦没者の墓地を訪れています。
一方、こうした金委員長の発言について、国防部の副報道官は28日、「こうした脅しは新しいものではない。軍の抑止力を強化することが重要だ」と述べています。