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社会

韓国軍のベトナム戦争民間人虐殺 ソウル地裁が賠償判決

Write: 2023-02-08 10:00:41Update: 2023-02-08 10:28:11

韓国軍のベトナム戦争民間人虐殺 ソウル地裁が賠償判決

Photo : YONHAP News

ベトナム戦争当時、韓国軍が民間人を虐殺したことに対して、韓国政府が賠償すべきだという裁判所の一審判決が出ました。ベトナムの民間人虐殺に対する韓国政府の賠償責任を認めた初めての判決で、今後、ほかの被害者らの訴訟提起が相次ぐ可能性があるとみられています。 
 
原告のグエン・ティー・タインさんが韓国政府を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、ソウル中央地方裁判所は7日、韓国政府に対し、賠償金3000万100ウォンと遅延損害金を支払うことを命じ、原告の一部勝訴を言い渡しました。
 
グエンさんは、ベトナム戦争当時の1968年2月、韓国軍の海兵第2旅団の軍人らが、ベトナムのクアンナム省にある村で、合わせて74人の民間人を虐殺した際に家族を失い、自らも銃撃を受けたとして、2020年4月、3000万100ウォンの賠償を求める訴訟を起こしました。
 
裁判所は、ベトナム戦争に参戦した軍人や、当時、民兵だった村の住民などの証言や、その他の証拠に基づき、グエンさんの主張のほとんどを事実と認め、「明確な違法行為に該当する」と明らかにしました。
 
韓国政府は、ベトナムと韓国、アメリカ間の約定書などに基づき、ベトナム人が韓国の裁判所で訴訟を提起することはできないと主張しましたが、裁判所は「軍事当局間の約定書は合意に過ぎず、韓国政府に対する請求権を阻止する法的効力を持つとは見難い」と判断しました。
 
韓国政府はまた、ゲリラ戦が展開されたベトナム戦争の特性上、韓国軍の行為は正当防衛にあたり、韓国軍が加害者であることを証明することは難しいと主張しましたが、認められませんでした。
 
さらに韓国政府は、違法行為があったとしても、すでに数十年が経っていて、時効が成立していると主張しました。しかし、裁判部は「原告が訴訟を起こすまで、権利を行使できない客観的な理由があったとみられる」と判断しました。
 
今回の判決について、グエンさんは、「軍人が作戦を遂行する過程で民間人を集団で虐殺したことが有罪と認められたもので、既存の刑事判決とは異なる意味を持つ」と強調するとともに、訴訟を代理した韓国の弁護士らに感謝の気持ちを伝えました。
 
一方、ベトナム派兵の主体である国防部は、控訴する考えを示しました。

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