去年スタートした、韓国とアメリカの拡大抑止に関する協議体「NCG=核協議グループ」は、3回目となる6月の会合から国防当局の主催となり、両国の核戦略の具体策が話し合われることになりました。
NCGは、北韓の核に対する拡大抑止の実行力を強化するための枠組みで、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領とバイデン大統領が去年4月の首脳会談で設立に合意し、ワシントン宣言にも盛り込まれました。
NCGは、これまでのように韓国がアメリカの核の傘に守られるだけの、いわば消極的な拡大抑止ではなく、アメリカの戦略資産の運用における決定プロセスに、韓国も積極的に参加するというもので、韓国政府は、こうした安全保障の強化を国民が体感できるものにすることを目指しています。
国防部は、韓米の国防当局がアメリカの国防総省で現地時間の12日にNCGの目標の詳細が盛り込まれた文書に署名したと発表しました。
文書には、NCGの設立の背景や機能のほか、これまでの国家安全保障会議による主導から国防当局主導にシフトすることなどが盛り込まれました。
韓米両国は、核戦略の企画と運営に関するガイドラインをまとめ、これをもとにことし6月に開催される3回目の会合で具体策を設ける計画です。
北韓は、去年12月に開かれた2回目のNCGの会合に反発して、韓半島東の海、東海(トンへ)に弾道ミサイルを発射し、「核による露骨な対決宣言だ」と強く批判しました。