イギリスの格付け会社、フィッチ・レーティングスは、韓国の国債の格付けを据え置き、上から4番目に高い「AAマイナス」としました。
フィッチは、2012年9月から11年半にわたり、韓国の国債の格付けを「AAマイナス」、見通しを「安定的」という評価に据え置いています。
ことしの韓国経済の成長率についても、去年10月に示した見通しと同じく、2.1%としました。
今回の評価について、フィッチは、韓国経済の強みとして、「良好な対外健全性」や「マクロ経済の回復力」、「輸出の好調」などを挙げました。
そのうえで、「韓国の輸出の回復を牽引している半導体は、AI=人工知能の需要に支えられ、来年まで好調が続くとみられる」と説明しました。
一方で、「高齢化に伴う構造的なマイナス要因」や「北韓など地政学的リスク」なども、格付けに反映されていると説明しました。
韓国の財政収支については、赤字幅が縮小すると予想しながらも、4月の総選挙の結果が、財政の健全性に向けた政府の取り組みに影響を与える可能性があるとの見方を示しました。
金融部門の安定性については、「金利が高い状態が続いているが、リスクは適切に管理されている」としています。