リンゴやナシなど、果物の価格が高騰したあと高止まりしていることを受け、尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は、物価を安定させるため、農産物を中心に補助金を投入するとともに、輸入が可能な農産物の関税を引き下げるなどの特別措置を講じると明らかにしました。 
 
韓国では、果物など農産物の価格が高騰していて、例えばリンゴの卸売価格は、今月中旬の段階で、去年の同じ時期と比べて2倍以上の水準になっています。

リンゴやナシなど8品目の農産品は輸入が禁止されているため、価格の安定のために輸入品の供給を増やすことができません。
 
尹大統領は18日、先月、物価上昇率が拡大し、3.1%を記録したことについて、国際原油価格の上昇、先月の悪天候による農産物の不作、去年の水害などによる果物の不作などが背景にあると指摘しました。
 
尹大統領は、「農産物の価格が平年並みに落ち着くまで、期間、品目、規模に制限をかけず、財政支援や割り引きの対象品目の拡大を積極的に行う」と明らかにしました。

具体的には、緊急資金1500億ウォンを直ちに投入し、必要に応じて支援の規模を拡大すると明らかにしました。

また、現在、大型スーパーが対象になっている割り引きへの補助を、個人商店やオンラインショッピングモールなどにも拡大します。

そのほか、輸入している果物や農産物、加工食品に対する関税引き下げ制度の対象品目を大幅に拡大し、国内産に頼り、かつ値上がりしているリンゴやナシの代わりとして供給を増やす方針です。
 
第1段階として、現在、24種類が対象となっている果物類の品目に、チェリーやキウイなど5種類を追加するということです。