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文化

「回心曲」ほか

#国楽の世界へ l 2018-05-16

国楽の世界へ

「回心曲」ほか

「回心曲」は、心を改めるという意味の仏教音楽です。過ぎし日々を振り返り、自分の過ちを反省するという意味が盛り込まれています。この曲は、肉体を離れた魂のお話で構成されます。自分を生んで育ててくれた親の愛ががどれだけ大きいものなのか、魂はそのことを主張しています。短い人生、後悔せずに生きるためにも、親孝行をするようにと勧める内容です。どんな時でも変わることなく育ててくれた親の恵みが、子供の時は分からなかった、と嘆く歌詞もあるんです。今日の最初は、「回心曲(フェシンゴク)」という曲をお楽しみいただきます。この曲は、本格的な仏教音楽と比べて、分かりやすいのが特徴です。アン・ビチさんの歌でお楽しみください。


「回心曲」はもともと、お寺で祭祀を捧げるときに歌う曲でした。祭祀を捧げるとき、僧侶は梵唄(ボンバイ)を歌います。でも、漢文、または、インドから伝わった言葉を長く伸ばして歌ったので、普通の人には理解できないものが多かったようです。そのため、祭祀が終わる頃になると、今度は韓国語で歌を歌います。この時の音楽が、「回心曲」や「和請(ファチョン)と呼ばれるものです。これらの音楽は、人が生きる上で重要な教えとなる内容を盛り込んでいます。特に、亡くなった方のために祭祀を捧げるときの音楽には、親孝行のお話がよく登場します。残された家族の立場ではいつも悔いが残るもので、この音楽が出るとみんな涙を流したようです。このときの歌詞と拍子を民間の歌い手が歌ったのが、今では有名になった「回心曲」です。仏教は難しいと思う方が多いですが、「和請」を聞いてみると、そんなに難しくは感じないはずです。念仏というのは他ではなく、清い心も念仏、穏やかな気持ちも念仏だという内容です。親孝行も、家族の仲が良いことも、こういうことこそが念仏であるといっています。それでは、「和請」という曲を、ソンアムという僧侶の歌でお楽しみください。


高麗時代までは仏教が国の庇護を受けて盛んでしたが、朝鮮時代になると事情が変わりました。国は仏教を弾圧し、僧侶は都城にも自由に入れなくなったのです。そんなとき、僧侶に代わってお布施を集めた人々がいました。「ヨンヒ」と呼ばれる芸人の集団です。世の中を彷徨って生きた人々です。お寺に籍を置いて、あっちこっちを回りながら歌や芸を披露し、回収したお布施はお寺に捧げ、そのうちの一部で生活をしたのです。おのずと僧侶の念仏や踊りを身に着けたはずです。仏教の立場では、仏の信仰を広く知らせる効果があったと思います。また、民俗音楽の立場でみても、多様な音楽や踊りができて、より豊かな芸術を作ることができました。今日の最後は、そんな音楽のひとつ、「報施(ボリョム)」という曲をご紹介いたします。この曲を、キム・スヨンさんの歌でお楽しみください。


「報施」はもともと、南道(ナンド)地域の「サダンペ」と呼ばれる歌い手が、お布施を集めるときに歌った曲だそうです。仏にお布施をすることで、国中が平和になり、民の暮らしが豊かになることを祈願する内容の曲です。

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