7月の「見た！韓国の素顔」は、ソウルで行なわれた、韓国各地の高校生たちによる日本
語スピーチ大会を取材し、日本の文化や社会に関心を深めながら日本語を学ぶ高校生
たちの素顔に迫ります。　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
日本語スピーチ大会は・・・
ソウルの日本大使館広報文化院が共催したもので、今年２回目
韓国各地の予選を勝ち抜いた２１人の高校生が参加

スピーチのテーマは・・・
日本の文化や社会に対する関心、韓日関係など

韓日関係がギクシャクする中での開催は・・・
「少なくても文化では交流を深め、日本も韓国も関心を持ち・・・、お互い対話を続ければ、
難しい問題も壁は低くなっていくと思う。もっと近い関係にするためにも重要だと思います」 （広報文化院・宝田寿哉書記官談）

高校生たちのスピーチは・・・

▲「正しい翻訳と私」　―――光州全南師範大敷設高校３年　キム・ジョンミンさん
「自分の心の中では、日本と韓国が一つになっている。多くの人が片方に偏った考えを捨てられる日が必ず来ると信じています。その日がくれば日本と韓国が仲直りするのは朝飯前でしょう！韓国、日本、がんばれ！」

▲ 「お風呂文化、何が違うかな」―――ソウル鐘路産業情報学校３年　カン・ヒョンジュンさん
「日本の銭湯の入り口には、男湯と女湯の前にカウンターがあり、男湯でも女湯でも掃除のおばさんが勝手に入ってきます。日本人は子どもの頃から馴れてるけど、外国人ではびっくりですよね！・・・男湯と女湯には仕切りがあって隙間もあり、『お～い！』とか『聞こえる？』とか呼ぶ声をよく聞きました。・・・私は日本と韓国の関係がもっと良くなって欲しいと思っています。そのためには、ささやかな文化的な違いへの理解が一つの架け橋になりうると思います。・・・みなさん。日本に行ったら、銭湯で掃除のおばさんを見ても驚かない韓国人になりましょう！」

▲「私は韓国と日本のお母さんを結ぶ郵便配達員」――――　京畿東豆川外国語高校2年　イン・ダヨンさん
「日本への語学研修に行くとき、ホームステイ先へのお土産として、母が無理やりキムチをスーツケースに入れました。喜ばれるのか不安でしたが、思い切って『これお土産なんだけど・・・』と渡すと、想像以上に喜んでくれました。ホストファミリーのお母さんはなんとキムチマニア、家族で一番キムチが好きな人でした。・・・
それが縁で日本のお母さんと韓国のお母さんの文通が始まり、私の母は日本語を学ぶようになりました。・・・これからも日本と韓国のお母さんと娘の私が仲良く幸せに暮らせるよう、日本語の勉強をがんばりたいと思います」

▲最優秀賞：「言わなくても伝わること」―――　仁川ミチュホル外交高校３年　キム・
ヒョンジンさん　
「相手の話す言葉から相手の気持ちを読み取らなければなりません。韓国人とか日本人だからとあきらめるのではなく、言葉の裏の本当の意味を探し、分かち合う努力が必要です。これこそが、真の意思疎通ではないでしょうか。・・・高校３年間、日本語を専攻した生徒だけでおわるのではなく、よりよい韓日関係を築くため、これからも言葉の力を研究したいと思っています。偏見のない言葉と思いが一つになって伝われば、私たちの未来は明るくなるのではないでしょうか」



会場の人たちの感想は・・・
▲「日本と韓国の友情のため、熱い友情のために考えていることをしっかり表現して　いて、結構感動しました」
▲「私たちでは感じられない純粋な思いを文章にして発表していて、感性を感じた」

韓日関係のキーパースン、日本の別所浩郎大使は・・・
「こういう風に、若い人たちが日本のことに関心をもって、日本語を勉強していることは
本当にありがたい。すばらしいことですね。将来に希望が持てる明るい気持ちになる。そういう気持ちを生かせるようがんばりたいと思います」
　　　　
入賞した高校生たちの夢は・・・
▲「夢は、国際会議の通訳士になること、韓国と日本の友好の架け橋になりたい」
▲「私は高校生で、具体的ことはまだないが、韓日関係の問題は、私たちの世代が　未来に向けて克服すべきだと思います。『できますか？』　はい。自信あります！」

今回最優秀となったキム・ヒョンジンさんは、７月２０日に日本で開かれた、世界各国の
高校生による日本語スピーチ大会に出場し、見事準優勝に選ばれました。
また、今回の大会で入賞した８人は、７月３０日から９泊１０日の日程で、東京、大阪、京都、
広島を訪れ、日本各地の高校生と交流しながら、日本への理解を深めます。

近くて遠いとも言われる隣国・日本は、高校生たちの目にどんな風に写ったのでしょうか。