2014年に沈没した旅客船「セウォル号」の運航会社の実質的なオーナーだった故兪炳彦(ユ・ビョンオン)氏の次男、兪赫基(ユ・ヒョッキ)氏が4日、犯罪人の引き渡しに関する手続きにもとづいて、アメリカから韓国に送還されました。
韓国南西部の全羅南道(チョンラナムド)・珍島(チンド)沖で2014年に起きたセウォル号の沈没事故では、修学旅行中の高校生など304人が死亡または行方不明となりました。
セウォル号の安全設備や保守に使われるはずの資金を兪氏の一族が横領したことが、沈没の原因を調査する過程で明らかになっています。
今回送還された次男の兪赫基氏は、「セウォル号」の運航会社「清海鎮(チョンヘジン)海運」などを抱えるセモグループの持ち株会社の筆頭株主で、会社の経営に深く関わっていたとされ、兪一家が経営していた会社から559億ウォンを横領した疑いが持たれています。
兪赫基氏は2014年の沈没事故が発生した後、国際手配され、2020年にアメリカ・ニューヨーク州の自宅で逮捕されました。
その後、韓国への引渡しを求めた裁判を経て、送還されたものです。
セウォル号の沈没事故をめぐっては、海外に逃亡していた故兪炳彦氏の長女やセモグループの系列会社の代表など3人がすでに韓国に送還され、刑が確定しているか、または控訴審が行われています。