期待される競技、体操と競泳
Photo :© YONHAP News体操、メダルに挑戦韓国はこれまでのオリンピックで、金メダル1個、銀メダルと銅メダルをそれぞれ4個獲得しています。体操競技男子は、ゆか・あん馬・つり輪・跳馬・平行棒・鉄棒の6種目のほか、団体と個人総合の二つの種目があり、金メダルは合わせて8個です。女子は、跳馬・段違い平行棒・平均台・ゆかの4種目で、団体と個人総合の二つの種目が加わり、金メダルは合わせて6個です。団体戦は世界選手権のランキングをもとに男女それぞれ12カ国が出場します。 韓国は、男子が2019年の世界選手権で9位となり、1992年バルセロナ大会以来、8大会連続で団体戦に出場しています。男子団体戦は日本と中国の優勝争いになる見通しです。 また、女子団体戦はアメリカが優勢です。Photo :© YONHAP News韓国から出場選手は男子団体戦は、韓国からリュ・ソンヒョン、イ・ジュンホ、キム・ハンソルに、ヤン・ハクソンが加わり、4人が出場します。ヤン・ハクソンは、得意種目はあん馬で、2012年ロンドン大会で金メダルを獲得、2011年と2013年の世界選手権でも金メダルを獲得しました。 ヤン・ハクソンはアキレス腱の負傷で2016年リオデジャネイロ大会には出場できませんでした。その後も負傷が続き不振でしたが、韓国体操協会競技力向上委員会は、ヤン・ハクソンの名前が付けられたジャンプ、「前転とび前方伸身宙返り3回ひねり」が可能ならば、代表に選抜するという条件を付け、最終的に東京オリンピック出場が決まりました。 「前転とび前方伸身宙返り3回ひねり」って何のことかわかりますが。見ていても何が何だかよく分からない神技です。 跳馬の世界ランキング1位のシン・ジェファンも注目されていますが、シン・ジェファンは団体戦には出場せず、跳馬の個人でメダルに挑戦します。 女子は、イ・ユンソとヨ・ソジョンが出場します。ヨ・ソジョンは、1996年アトランタ大会の男子跳馬で銀メダルを獲得したヨ・ホンチョル氏の娘です。 父と娘、2代がオリンピックに出場することになりました。 新体操とトランポリンは出場権を確保できず、残念ながら韓国からは出場しません。Photo :© YONHAP Newsメダル多い競泳水泳は、競泳、飛び込み、アーティスティックスイミング、水球、マラソンスイミングがあり、合わせて49個の金メダルがかかっています。 ただ、韓国が金メダルを獲得できる可能性は事実上ありません。韓国がオリンピックの競泳でメダルを取ったのは、これまで金メダル1個、銀メダル3個で、すべてパク・テファン選手によるものです。東京オリンピックでは、競泳のキム・ソヨンとファン・ソンウ、飛込のウ・ハラムがメダルに挑戦します。女子キム・ソヨンは自由形100mと200m、バタフライ100mと200mなどの出場資格がありましたが、200m個人メドレーだけに集中することにしています。 個人最高記録の2分8秒34を出すことができれば、メダルを獲得できる可能性も十分あります。Photo :© YONHAP News男子はファン・ソンウに注目男子はファン・ソンウが注目されています。 ファン・ソンウは200m自由形のジュニア世界記録保持者で、開会式で旗手を務めます。1分44秒96の記録は、2016年リオデジャネイロ大会で銀メダルに相当するタイムで、世界ランキング5位以内に入るタイムです。 ですから、決勝進出は十分可能だとみられていて、コンディションが良ければメダルを獲得する可能性もあります。
期待される競技、女子球技種目
Photo :© YONHAP News女子球技種目も頑張れメダル獲得可能性と関係なく関心が寄せられている競技があります。 ハンドボール、バスケットボール、バレーボールの3競技です。 いずれも女子で、男子はこの3競技については出場権を確保できませんでした。Photo :© YONHAP Newsハンドボールは10大会連続出場女子ハンドボールはオリンピック10大会連続出場で、それなりに成績を収めています。1988年ソウル大会、1992年バルセロナ大会では金メダルでしたし、1996年アトランタ大会と2000年シドニー大会では銀メダル、2004年アテネ大会では銀メダルを獲得しています。 ただ、その後のオリンピックではメダルを獲得できず、2016年リオデジャネイロ大会では予選で敗退しました、 しかし、2019年9月のアジア予選で5戦全勝、1位でオリンピック出場権を確保、10大会連続でオリンピック出場を果たし、期待が寄せられています。 10大会連続でオリンピックに出場した国は他にありません。初めてです。東京オリンピックでは組み合わせも悪くはありません。 韓国はオランダ、ノルウェー、日本、アンゴラとともにA組に属しています。 1次リーグで日本とアンゴラに勝つことができれば、組4位で決勝トーナメントに進出できます。 ただ、組4位ですと、決勝トーナメントでB組の1位と対戦しなければなりませんので、メダルは遠のくことになります。 1次リーグでオランダまたはノルウェーに勝つことができれば、メダルの可能性は高まりますが、中々難しいところです。Photo :© YONHAP News女子バスケットボールは初の女性監督女子バスケットボールは、チョン・ジュウォン監督とイ・ミソンコーチが代表チームを率いることになりました。 女子の球技種目でオリンピック代表監督を女性が務めるのは初めてです。 チョン・ジュウォン監督は2000年シドニー大会に選手として出場、準決勝まで進出した経験があります。 選手では、アメリカの女子プロバスケットボールリーグでプレーしているパク・ジス(박지수)選手が注目されています。 韓国は世界ランキング19位ですが、東京オリンピックでは3位のスペイン、4位のカナダ、8位のセルビアとともにA組に属しています。 最悪ともいえる組み合わせですが、ここで1勝を挙げて3位以内に入らなければ決勝トーナメントには進出できません。 1次リーグの相手がすべて強豪で、苦戦をが予想されます。Photo :© YONHAP Newsバレーボール、戦力はいまいち韓国がオリンピックの球技種目で初めてメダルを取ったのは、1976年モントリオール大会、女子バレーボールの銅メダルでした。東京オリンピックではキム・ヨンギョン(김연경)選手が注目されています。 2005年にプロデビュー、2009年からは日本やトルコのプロリーグでもプレーしました。 2015年5月にはトルコリーグ優勝を果たして、MVP・ベストスコアラー・ベストスパイカーの3冠を受賞しました。 また、同じ年のワールドカップでもベストスコアラーを受賞するなど、世界的な選手です。 キム・ヨンギョンは開会式では韓国選手団の旗手を務めます。 身長192cm、見ればすぐに分かります。ただ、韓国はセッターのイ・ダヨン、レフトの イ・ジェヨンが不祥事で代表から除外され、プロリーグでGSカルテクスの優勝をけん引したレフトのカン・ソヒは負傷で出場できないなど、全体的な戦力はいまいちというところです。韓国は、開催国の日本をはじめ、セルビア、ブラジル、ケニア、ドミニカ共和国とともにA組に属しています。 少なくとも組4位以内に入らなければ決勝トーナメントに進出できませんが、相手は強豪ばかりで、難しいところです。 バレーボールの銅メダル決定戦は、閉会式が行われる8月8日に行われます。
メダルが期待される競技、テコンドーと柔道
Photo :© YONHAP Newsテコンドーは各種の制限もテコンドーは韓国の国技、古くから伝わる武術です。 韓国が強いとされていますが、だからといって、メダルをたくさん獲得できるというわけではありません オリンピックのテコンドーは体重別に男女それぞれ四つの階級がありますが、2012年ロンドン大会までは一つの国から二つの体重別階級、最大4人まで出場できるよう制限していました。2016年リオデジャネイロ大会からは、それぞれの体重別階級で1人ずつ出場できるようになりました。 その結果、韓国はリオデジャネイロ大会では男女合わせて5人が出場しました。 東京オリンピックには過去最多の6人の選手が出場します。男子は、58kg級でチャン・ジュン、68kg級イ・デフン、80kg超級イン・ギョドンの3人、女子は、49kg級シム・ジェヨン、57kg級イ・アルム、67kg超級イ・ダビンが出場します。男子68kg級のイ・デフンはよく知られている選手です。 イ・デフンは2012年ロンドン大会から3大会連続でオリンピックに出場しました。 世界大会では優勝したことがありますが、オリンピックでは銀メダルと銅メダルを獲得、金メダルを獲得したことはありません。 今回は金メダルを獲得できるかに関心が寄せられています。 実は韓国代表6人のうち、オリンピック出場経験があるのはイ・デフンだけです。 テコンドーは選手の層が厚く、代表選手の入れ替わりも激しくなっているからです。 外国の選手としては、2012年ロンドン大会と2016年リオデジャネイロ大会の女子57kg級で金メダルを獲得したイギリスのジェード・ジョーンズが、東京オリンピックで3大会連続金メダル獲得を成し遂げることができるかに関心が寄せられています。Photo :© YONHAP News柔道は前大会でノーゴールド日本発祥の柔道は1964年の東京オリンピックで正式競技に採用されました。 韓国は前大会の2016年リオデジャネイロ大会では金メダルを獲得できませんでした。 東京オリンピックでは金メダルを獲得できるかに関心が寄せられています。 柔道は男女それぞれ七つの体重別階級がありますが、韓国は、女子はすべての体重別階級で出場します。一方、男子は81kg級で出場権を確保できず、六つの体重別階級で出場します。 金メダルに最も近い選手としては、男子66kgのアン・バウル、100kg級のチョ・グハムの2人がいます。 アン・バウルはリオデジャネイロ大会で銀メダルを獲得していますし、チョ・グハムは2018年の世界選手権で金メダルを獲得しています。 チョ・グハムはリオデジャネイロ大会では負傷でメダル獲得に失敗しましたが、東京ではメダルが有力視されています。 男子73kg級のアン・チャンリム、60kg級のキム・ウォンジンも注目されている選手です。 キム・ウォンジンはことし1月の柔道ワールドマスターズ2021・カタール・ドーハ大会で金メダルを獲得しています。Photo :© YONHAP News柔道はルール変わり、新たな種目も東京オリンピックでは初めて団体混合種目が加わりました。 韓国もこの男女混合団体戦に出場します。また、国際柔道連盟のルール改正で、男子の試合時間は5分から4分に短縮され、評価ポイントの「有効」が廃止されました。 東京オリンピックでは、評価ポイントは「一本」と「技あり」の二つだけです。 「技あり」2回で一本になる「合わせ技一本」のルールは維持されています。 寝技で「技あり」となるための時間は15秒から10秒に短縮されました。 女子の試合時間は従来通り4分と変わっていません。 試合を終了したとき、どちらの選手もスコアがない場合、あるいはスコアが同等の場合は、延長戦(ゴールデンスコア)を行ないます。ルール改正は、より積極的に攻め合う試合展開を促す狙いがあるとされています。 ルールの改正は、リオデジャネイロ大会でメダルを量産した日本にとって有利だという見方もあります。