メニューへ 本文へ
Go Top

文化

韓国の伝統酒、マッコリ

2011-12-20



今年も残すところあと10日あまり。この季節、韓国も日本と同じように忘年会などで盛り上がっています。忘年会にお酒はつきもので、気の合う仲間とおいしいお酒があれば最高に楽しい忘年会になること間違いありません。お酒といえば、数年前から韓国だけではなく、世界からラブコールを受けている韓国の伝統酒、マッコリです。

韓国でマッコリがいつ頃から飲まれてきたかは定かではありません。しかし、高麗時代の詩に「土をこねて作ったトゥクペギの杯に白いマッコリ」が登場していることから、高麗時代の前から飲まれていたことが分かります。色は米を研いだあとの磨ぎ汁のような乳白色、アルコール度数は6度から7度と軽い方で、女性でも気軽に楽しむことができます。蒸した米や麦、小麦などに麹と水を混ぜて発酵させて作るマッコリは、甘み、酸味、渋み、苦みなどいろんな風味を感じることができます。

マッコリは発酵したお酒を適当に濾したお酒という意味があり、素朴な風味を味わうことができます。マッコリは1週間から10日ほど発酵させて飲むお酒で、材料となる米などの栄養分がそのまま残っている状態で飲むため、昔の韓国人には農作業の忙しい合間に、空腹を満たすという感覚で飲まれていました。

マッコリの風味に魅了されたのは韓国人だけではありません。栄養も、味もよいマッコリは外国人にも人気です。初めてマッコリを見た外国の人たちは、米で作った牛乳のような色のお酒にとまどいを感じるといいます。でも一度飲んでみると、気軽に飲める素朴なマッコリの風味に魅了されてしまうのだそうです。その風味に魅了され、韓国でマッコリの専門店をオープンした外国人もいるほどです。



マッコリは韓国の人たち、特に庶民に愛されてきた素朴なお酒です。1988年、ソウルオリンピックの前のデータを見ますと、韓国で消費されるお酒の6割をマッコリが占めていました。ところが、その後、外国のお酒の輸入が増えて、軽く飲めるお酒の中心にビールが登場し、マッコリの消費は4パーセントまで下がってしまいました。そのマッコリが再び注目を集めるようになったきっかけはウェルビーイング・ブームでした。

アルコール度数の低いマッコリはカラダに無理を来たしません。また、熱を加えない生のマッコリは酵母と乳酸菌が生きていて、健康にも役立ちます。また、米など穀物を使っているので、そのたんぱく質が分解されてアミノ酸がたっぷり含まれています。今年発表された研究結果によると、マッコリには抗癌物質も入っています。こうしたマッコリの成分が、お酒を飲みながらも健康を気遣う、ウェルビーイング・ブームにぴったりマッチしたのです。米と麹が原料となるマッコリの成分は炭水化物54%、たんぱく質46%で、脂肪は含まれていません。焼酎1杯分、45グラムが64キロカロリーであるのに比べ、マッコリ1杯分、150グラムのカロリーは69キロカロリー。ですから、焼酎の3倍飲んでも同じカロリーです。しかも、飲んだ後、体に残るカロリーは10%未満ということで、ほろ酔い気分になっても、カロリーの心配もありません。

マッコリは地域によって、また醸造場によって風味が違います。現在、韓国で作られているマッコリは700種類あまり。さっぱりとした風味のソウルのマッコリとコクのある全羅道(チョルラド)や慶尚道(キョンサンド)のマッコリを飲み比べてみるのも面白いでしょう。また、緑茶や五味子など地域の特産物を使ったマッコリなどもあります。

マッコリの人気が高まると、手作りのマッコリを味わってみたいという人も多くなって、マッコリの作り方を教えてくれる学校もできました。また、マッコリを使ったパンやせっけん、化粧品なども開発されています。韓国の庶民とともにして素朴なお酒、マッコリのブームはまだまだ続きそうです。今年の忘年会にはマッコリで乾杯してみてはいかがでしょうか。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >