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文化

天上の世界を描き出した韓国のパフォーマンス「カルマ」

2012-02-07



「ナンタ」、「ジャンプ」、「ビバプ」。どれも外国人観光客にもよく知られている、韓国を代表するノンバーバル・パフォーマンスです。ノンバーバルパフォーマンスとは打楽器のリズムやマーシャルアーツ、ダンスなどが中心となるパフォーマンスで、言葉を知らなくても楽しむことができます。そして、今、もう一つの新しいノンバーバル・パフォーマンスが注目を集めています。神々の世界を描いたミュージカル「カルマ」です。

「カルマ」は「檀君(タングン)神話」と呼ばれる韓国の建国神話よりも前の時代、つまり、天と地、そして宇宙を支配していた天上の世界を描いています。ノンバーバル・パフォーマンスなのでセリフは少なくし、善と悪の存在を明確にして、韓国の伝統舞踊、東洋の武術と美術などを通じて天上の世界で起きる愛と憎しみ、葛藤と和解を描き出しています。



「カルマ」はソウルの西大門区(ソデムング)にある救世軍アートホールに専用シアターを設けて公演されています。「カルマ」は海外の舞台で先に公演され、海外でその作品性を認められてから、韓国で公演されています。韓国の伝統舞踊や東洋の武術など、韓国ならではの文化を盛り込んだ「カルマ」は2007年の初演以来、海外12ヵ国、25の都市で舞台にのせられました。



「カルマ」には天上の世界を支配する太陽の神「カリス」と、「カリス」が愛する月の女神「アリア」が登場します。この二人を中心に、天上の世界を守る4人の守護神、青竜、白虎、朱雀、玄武、そして6人の星の神が物語をつづっていきます。星の神を演じている6人の俳優は韓国舞踊を専攻した人たちで、韓国の伝統舞踊の基本的な技術は活かしながらも、華麗でパワフルなダンスを披露しています。東西南北、そして4つの季節を意味する守護神、青竜、白虎、朱雀、玄武は東洋の神話に登場する四神(しじん)で陰陽五行説に基づいてそれぞれ青、黒、白、赤など4つの色で表されています。

ノンバーバル・パフォーマンスであるため、ストーリーは実にシンプルで、4人の守護神の一人、北の玄武は月の女神「アリア」に恋をし、愛と権力を奪い取るために、無限の力を与えてくれる赤い木の実を奪い取り、太陽の神「カリス」を殺害します。善の象徴である神々が力をあわせて、どん欲な阿修羅と化した玄武を倒します。



舞台では華麗なダンスとパワフルな武術、そして東洋画などを使った独特な世界が繰り広げられます。神々が太陽の神「カリス」を复活させるための儀式を行う場面で登場する東洋画は、舞台に設置された大きなスクリーンの裏にいる東洋画家がその場で筆と絵の具を使って実際に描いています。

「カルマ」はサンスクリット語で宿命、業という意味があります。良い行為には良い結果が、悪い行為には悪い結果がかえってくるという意味が込められています。世界の人たちが共感できる「カルマ」の思想をモチーフに、韓国の舞踊と武術、音楽と美術が完成させたノンバーバル・パフォーマンス「カルマ」は、今、韓国の公演文化に新しい風を巻き起こしています。

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