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文化

料理韓流の先端に立つ韓国の味噌、テンジャン

2012-03-06



「醤(チャン)」と呼ばれるテンジャン(味噌)、コチュジャン(とうがらし味噌)、カンジャン(醤油)は、古くから韓国の家庭の食卓と健康を守ってきた代表的な発酵食品です。韓流ブームの流れで韓国料理に対する関心が高まると、韓国料理のシンボルのようにも見える赤いとうがらし味噌は料理韓流の先端に立って韓国の味を世界に披露してきました。そして、最近は韓国の伝統的なテンジャン、味噌も注目され始めています。

最近の食品産業のトレンドを表すキーワードは「健康、スロー、ローカル」です。世界的に伝統発酵食品の価値が見直されている中、国際食品規格、コーデックスに韓国のキムチをはじめ、とうがらし味噌のコチュジャンや味噌のテンジャンなどが次々と登録されています。コーデックスへの登錄は韓国の発酵食品の価値が世界的に認められるきっかけになり、味噌をはじめ、韓国の「醤(チャン)」類の輸出も年々増えています。

古くから韓国では、陰暦の2月に味噌を作ると、塩を少なめに入れても痛むことなくおいしい味噌ができるとされていました。ちょうど今の時期に韓国のお母さんたちは「醤(チャン)」を作ってきたのです。共働きや庭のないマンション暮らしが増えている最近はスーパーなどで買って食べる家庭が多くなりましたが、家族の健康を気づかって、伝統的な味噌作りに挑戦する主婦も増えています。



伝統的な韓国の味噌は材料となる大豆を煮込んだ後、つぶして形を整え、「メジュ」という味噌玉を作ります。風通しの良い所に吊るしてじっくりと時間をかけてメジュの表面にカビを生やして熟成させ、つぶしてカメに入れて塩水を注ぎます。最後に甘みと香ばしい風味の「醤」になるようにという願いを込めて、干したナツメやゴマ、防腐剤の役割をする赤い唐辛子、殺菌と匂いを取る木炭などを浮かべます。これを熟成させると、黒い上澄み液ができます。これが醤油です。醤油を汲み取った残りのメジュに煮た豆や煮汁、塩などを加えてもう一度発酵させたのが味噌になります。

「醤」を熟成させるカメは釉薬を使わないで焼いた甕器(オンギ)で、表面に空気が通れるくらいの小さな穴があるため、おいしい「醤」を作り出します。カメは日当たりの良い所に置いて、天気の良い日は日に当て、表面をきれいに拭いて空気がよく通るようにします。醤油を汲み取ってからさらに半年ほど発酵させて作るテンジャン、味噌。おいしい味噌が完成するまでには10ヶ月ほどの時間がかかるのです。

味噌は大豆が材料となるため、昔の人たちにとっては大事なたんぱく質の供給源でした。また発酵の過程でカラダに良いさまざまな微生物ができ、文字通りパーフェクトな健康食品になります。一般的な豆料理に比べて30%ほどたんぱく質の吸収も多くなります。また、癌を防ぐ抗癌作用や免疫を高める効果もあります。

まろやかな風味を作り出す韓国のスローフード「醤(チャン)」、味噌は世界的なメニューやソースなどにもアレンジされていて、おいしく、健康な料理を作るベースとして広がっています。

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