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文化

韓国の人たちをいやしているヒーリングブーム

2012-06-12



ソウルの都心にある朝鮮時代の王宮、昌徳宮(チャンドックン)にガイドと観光客のように見えるグループが集まっています。一見、普通の観光客に見えますが、この日のツアーのテーマは「ヒーリング」、心を癒す旅です。目まぐるしい毎日を送っている韓国の人たちは、今、旅行の中にも心身を癒すヒーリングを求めているのです。

最近、あちらこちらで耳にするようになった言葉「ヒーリング」はリラックス、解消、リフレッシュの過程といえます。自分の心とカラダがどんな状態にあるかを知り、その過程で見つけた悩みや傷を癒し、休ませる、いわば心とカラダの治癒を意味しています。

韓国ではヒーリング・キャンプ、ヒーリング図書、ヒーリングカフェ、ヒーリングミュージックなど、音楽、美術、文化、テレビ番組にいたるまで、生活全般にかけて、ヒーリングという言葉が浸透しています。

3月から5月まで、小劇場が集まっているソウルの大学路の公演ホールで「ヒーリングハート」というミュージカルが公演されました。この作品は「いじめと自殺」をテーマにしたヒーリングミュージカルです。「ヒーリングハート」には事業に失敗した30代、ブランド物を買うために借金をおった20代、いじめで悩む10代など、いろんな理由で自ら命を絶とうと決心した人たちの姿を描きだします。テーマが重すぎるような気がしますが、コミカルなキャラクターの天使を登場させて観客の共感を導き出しています。自殺する人が多すぎて人でいっぱいになった天国。悩んだ神様はルアという天使を遣わします。ルアは自殺を決心した人たちに自殺したければ他の人たちを助けなければならないというミッションを与えます。絶望した人たちを助ける過程で、人は忘れていた自分の夢や希望、自分を思ってくれる周りの人たちの存在に気づき、生きようという新しい希望を見つけ出すのです。他人を癒すことで自分も癒される登場人物を見ながら、観客も癒されていくのです。

王宮で進められているヒーリングツアーものぞいてみましょう。ヒーリングツアーにはヒーラーと呼ばれる心理治癒専門家が付き添い、瞑想をしながら自分を見つめ、自然と触れ合い、話を買わしながら心とカラダをいやしていきます。ヒーリングツアーの目的は観光ではなく、自分を見つめなおすことにあるのです。

数年前まで、韓国では心とカラダを健康にするウェルビーイングがブームでした。しかし、今は健康なだけではもの足りません。仕事やストレスで疲れた人たちは、固く閉ざされ、冷たくなってしまった心を温めてくれる何かが必要とする時代になりました。

自分を癒し、人を癒せるもの、それがヒーリングなのです。さまざまなジャンルで活用され、トレンドとなっているヒーリングプログラムは忘れかけていた希望と幸せを見つけ出すきっかけになるに違いありません。

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